理想の注文住宅を建てるには

理想の注文住宅を手に入れ、絶対に失敗しないための注文住宅の秘訣を1級建築士である建築家八納啓創がお伝えするブログです

家が人に安心感をもたらせてくれる要素 その5 

家が人に安心感をもたらせてくれている要素その5です。
その4までは、既存の家でも可能ですが、その5からは、今の家を改修などでバージョンアップさせたり、新築で建てる人向きです。
 
 
※ただ、17000人という数字の意味は、すべての人に知っておいて欲しい内容です。
 

5.心身ともに健康でいられるための安全ゾーンという安心感

 
  交通事故で亡くなる方が年間4000人を下回った現在、家の中でヒートショックという現象で亡くなる方が17000人近くいる事実をご存知ですか?
 
「気をつけて行ってらっしゃい!」とこれまで言ってきましたが、「家の中で気をつけましょう」という時代になって久しいと聞くとビックリするでしょうか?
 
 ※私たちの業界で、先進的に省エネに取り組んでいる専門家ではこれが
  合言葉になるほど、浸透していますが、一般的にはまだまだビックリ
  する話かもしれません。。。
 
ヒートショックというのは、家の中の温度差が大きい場所、例えば、脱衣場と湯船がまさにそうで、20度以上の温度差が生じると、血圧の急激な上下動で心筋梗塞や脳梗塞になる現象です。
 
さらに、真冬の布団の中の温度が28度なのに対して、夜中のトイレの気温が8度を下回ると、温度差が20度になります。特に60歳以上になると、ヒートショックの可能性が上がるので、60歳以上の方のお住まいの場合は、特に注意してみましょう。
 
私が設計したりゅうせん幼稚園の話を少しします。

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日本国内で先駆けて「木造耐火」を実現させてたりゅうせん幼稚園。次世代省エネ基準の倍以上の省エネ性能で、夏涼しく、冬暖かく光熱費が半減させる居心地の良い空間を実現させた
この幼稚園は、2015年に日本の中で先駆けて竣工した木造耐火2階建ての施設です。木造耐火という幼稚園が、2017年の時点でもまだ珍しいくらいです。
 
さらに、私はこの幼稚園を住宅の中でもかなり高性能な分類に入る高断熱高気密化を図りました。Q値という数字で表せば、1.2で、気密性能も0.5以下を実現させました。
 
真冬でも、朝暖房を入れる前は、15度ぐらいまでしか下がらず、冬の晴れている日は、午前中少し暖房するだけで、部屋の中が温かくなるぐらいの性能を持った建物です。
 
私が普段設計する住宅の性能も、これに近いもので、真冬の明け方でも外気温が0度の時に室温が12度〜15度をキープしています。こうなると先に述べたヒートショックは、ほぼ起こらなくなります。
 
話を幼稚園に戻します。
2017年1月、この幼稚園では、季節性インフルエンザが流行しました。
160人のうち、50名近くがインフルエンザで休んだということです。
 
季節性インフルエンザがうつる要因は、屋内湿度が40%を下回ると極端に感染しやすくなると言われています。冬は、大体にして湿度が40%以下になりがちです。
 
そこで、この幼稚園では、2月初旬に、家庭用のものよりも少し大きい、業務用の床置き型加湿器を導入しました。気密性能の高いこの幼稚園では、この加湿器を導入後50%の湿度を保つことが出来るようになりました。
 
その結果、2月のインフルエンザ欠席者は5人までに激変しました。
 
その数字を見せてもらった時に、私もすごい効果があるんだと実感しましたが、もし、あなたの家が真冬に湿度50%を保つ工夫ができると、家の中で誰かがインフルエンザにかかったとしても、うつる可能性が格段に減らすことが可能なのです。
 
家が人に安心をもたらす要素その5は、これからの家づくりに実現させることのできる「安心感」なのです。
 
 
 

 

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家が人に安心をもたらす要素 その4

家が人に安心をもたらす要素。これは多種多様に渡ります。
これまで、その1その2&3をお伝えしてきましたので、まずはそちらを先にご覧ください。
 
今回は、より内面的な側面から「安心感」についてまとめています。
家づくりの単なるヒヤリングでは見えてこない、本当に安心できる空間を作るためには、どういった側面を感じることが必要か?
 
それをまとめました。
 

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安心感をもたらす空間というのは、抽象的でつかみにくい部分が多いですが、一人一人の特性に合わせてじっくりヒヤリングすることで、家族全体での調和を図りながら安心感のある空間を作ることが可能になります
 

4.自分の領域を持つことへの安心感

 
  子供は、大きくなるにつれて「自分の部屋が欲しい」というようになることからも分かるように、自分のコントロール下の空間を所有したくなります。
 
自分のコントロール下にある空間に身を置くと、安心できるようになります。逆にコントロールできていない、空間にいると安心できません。
 
よく「物があふれていたり散らかっている方が安心する」という人もいますが、心理カウンセラーが言うには「それは耽溺という感情の状態にフィットしているだけだ」ということのようです。
 
要するに「自分は散らかっているくらいの方がちょうどいい程度の人間」というふうに自分を下げてみている結果というのだからとても興味深いものです。
 
家を設計する際「書斎が欲しい」という人は結構います。
私は、その時、かなり慎重に話を伺っていきます。
 
なぜなら、実際に書斎を作っても物置や納戸になってしまっている人が世の中には多いからです。
 
心理カウンセラーの人と話をしていて、分かったのが「書斎は、精神的自立をしている人の場合は、うまく使いこなして機能する」ということ。
 
「会社の昇進試験が定期的にあるので、自分は書斎にこもってその時は勉強したい」
というお施主様がいました。
 
「家族がいるところでは、勉強は難しいのですか?」
と尋ねたところ、今の住まいで試みたけど、ほとんど集中できず苦労したとのことでした。
 
このお施主様の場合は、家が完成後、書斎をしっかりと使いこなし、昇進試験にも合格したと聞いています。
 
また、世の中で言われているアスペルガー(自閉症スペクトラムの一つ)の人は、静かに一人きりになれる場所を持つことで、精神的なバランスを取っていることが分かってきました。
 
このアスペルガーですが、100人に1人いると言われていますが、最近ではグレーゾーンの人を含めると20人に1人とも言われています。
 
「家の中は、どこも区切らず、大部屋で寝るような家にしたい」
 
というご要望のお施主様もいますが、家族の中にアスペルガー的な人がいる場合は、本当に大部屋形式でいいのか?慎重に判断することが必要でしょう。
 
以前までは「この子、この人は自分の部屋や一人になれる場所が必要だな」とヒヤリングをしてご要望をまとめながら、家づくりをしていましたが、最近では広汎性発達障害の研究も個人的に進めているので、より明確に意図しながら設計するようになりました。
 
このように、自分の領域を持つという側面は、いろいろな側面から見て、その人、その家族にあった空間構成にすることで、よりフィット感が増すようになります。
 
 

 

 

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家が人に安心をもたらす要素 その2&3

家が人に安心をもたらす要素をお伝えしています。
その1はこちらをご覧ください。今回はその2と3です。
 

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【家の中の安心感は、目に見えない意識の中で増す部分も多くあるものです】

 

2.安全でいられるという安心感

  外界から守られていて安全でいられる安心感というのは、1の話にもつながります。この項目では、さらに、雨風などの震災や災害時に身を守ってくれる「安全性」のことを伝えたいと思います。
 
雨漏りをしない、という最低限の安心感から、災害時に家が自分達を守ってくれる存在になることが重要です。
 
その時には、家の耐震性や耐久性の確保をしっかりさせること、そしてエリア的に災害マップなどでどう言ったエリアになっているかを把握し、災害時にはどのように行動すればいいかを家族で共有しておくことは重要です。
 
耐久性などに関しては他のコラムで書いていますのでそれを参照してください。
 
 

3.所有している場所という安心感

 人は本能的に「巣」を持っていることに対して、安心感を持ちます。しかし、最近は「家は帰って寝るだけ」「好きな時に好きな場所に住めばいいので定住はしない」など、本能的に「根ざす」場所を所有することに対して意識が低い人も結構います。
 
価値観はそれぞれですが、日本人的なDNAからみると、日本人は本能的に「帰れる場所」を持つことで、安心感や「地に足がついた感覚」を持つことが基本的に重要だと考えています。
 
 以前、「転勤族で、この家も社宅だから、家に対して借り物だという気持ちがしている」というご家族がいましたが、「仮に1年でも我が家だと思って、その家のことを好きになる努力をしてみてください」とアドバイスしたところ、後日、「家に愛情を注ぐようになったら、居心地が良くなった」というメールをいただきました。
 
 意識するだけで、これだけ居心地が変わるという好例ですが、所有感=安心感につながるということも、ぜひ覚えておきましょう。

 

 

 

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家の中の安心感を高める方法 その1

「安心」という言葉は、抽象的で家における安心感というものに関してもこの言葉のままだとわかりづらいものです。
 
しかし、家づくりにおいて「安心」という言葉はよく出てきます。
では、家において「安心」というものは、どういう要素で出来ているのでしょうか?
 
これらの要素を抑えることで、家自体が人に安心感をもたらす度合いも高くなると考えています。これから数回にわたって、「家の中の安心感を高める方法」と題してお送りします。
 
今回は、その1です。
 

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【安心感という側面で家を考えると、家の作り方の多様性が見えてきます】

 

その1.外界から身を守るという安心感

  屋内と屋外というように、家は外界から身を守ってくれるという側面があります。
  
 当然と言えば当然な項目なのですが、このことをよく考えると、防犯面や防音、視線など細かなところまで、気をくばる要素がたくさん出てきます。
  
 特に、視線に関しては、リビングの前の道路から家の中が丸見えのために、一日中カーテンをしているケースもありますが、安心面から考えると、配慮不十分の間取りと言えます。これは一例ですが、周辺の状況を見ながら、窓の位置やガラスの種類を選ぶことや、さらには、周辺にどんなものが建て替わる可能性があるか?を意識しながら間取りのレイアウトや窓の位置を設定することろまで気を配りたいところです。
  
 防犯面もきになるところです。最近はペアガラスを採用した窓が増えているので、窓ガラスを割って入られるケースも少しは軽減されていると思いますが、それでも地域によっては、格子をつけておかないと不安というケースもあります。
  
空き巣は「何秒でこの家の中に入ることができるか?」を、見ながら物色しています。
「あ、この家は少し時間がかかっても誰も見えないところに窓があるから入れるな・・」
といった判断をするようです。
  
ガラスを割ってクレセントを開けるだけでは、入れないように足ものにストッパーが入っていると、時間はさらにかかりますから、そう言った視点で、窓も計画したいものです。
  
寝るときに1階の窓のシャッターを閉めるという方もいますが、防犯対策に関しては、地域性や価値観が結構バラバラなので、家を手に入れる際には、設計者、施工社にしっかりと話をして、対応をしてもらいましょう。
  
防音に関しては、高断熱・高気密化を図る際に防音性能もかなり上げることができるようになってきています。
  
どれくらいの防音性能が欲しいか?は出来れば、モデルハウスや家の披露会の時に実際に体感させてもらいましょう。驚くくらい、外界の音の入り方が変わってきます。

 

 

 

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家の耐久性を持たせるための6つのポイント(後半)

今回は、前半に続き、後半をお伝えします。
 

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【家の素材を決めるときには、ここはどれくらいのメンテナンス頻度としやすさを持たせるか?をデザインに組み込むことが重要です】

 

4.シロアリ対策を確実にする

 木造といえば、「シロアリ被害が怖い!」は誰でも思うことです。
実際に、シロアリ被害で家がダメになるケースも多く見受けられます。
ちなみに、シロアリは、太陽の光が苦手です。
 
 具体的には、外壁に物置やガソリンタンク、タイヤ、ほうきなど直接、引っ付けて置かないことが重要です。
 
 実は、そのようにして影を作ることで、シロアリ被害に遭っているケースも多いのです。
 
 それと合わせて、やっておく必要があるのが「防蟻処理」です。
 
 ただ、この防蟻処理も、人体に悪いものや、5年で効果の薄れるものも多く、どの「防蟻処理」をすればいいか?悩ましいところです。
 
 特に、最近は基礎断熱工法を採用し、床下の空気を部屋と循環させる工法も増えていますが、そういった家で、人体に影響を及ぼす防蟻処理材は致命的です。
 
 私がお勧めな防蟻処理は「ホウ酸処理」です。
 
 ホウ酸は人体に対して、無害で、水に濡らさない限り、溶けなくてずっと長持ちします。
 
  

5.メンテナンスフリーの素材はできる限り使わない

  日本では、「メンテナンスフリーでお願いします」という言葉が、家づくりの際よく出てきます。
 
 メンテナンスフリー=ずっと手入れせずに済む材料
 
というイメージがあるのだと思います。
 
例えば代表的なのが、床の複合フローリング(合板の上に表面材の木を張ったもの)、壁のビニールクロスが一般的にメンテナンスがあまり入らないと思われています。
 
しかし、これらの多くの「メンテナンスフリー」と言われている材料は、将来メンテナンスが逆にできない材料でもあり、いわゆる「使い捨て」の材料だということを知らない方がほとんどです。
 
例えば、複合フローリングは、20年くらい経つと、窓際など結露水でよく濡れる場所から表面材がぺりぺりと剥がれていきます。こうなると補修はできません。張り替えるしかなくなります。
 
それに対して、無垢のフローリング(木そのものでできたもの)は、表面が傷つきやすい、季節によって長さが変わるなど、デメリットに思う人もいますが、無垢フローリングは将来的に、表面の傷を削ったりなど、メンテナンスが可能な材料なので、使い続けることができる材料です。
 
これは一例でしたが、ポイントは、メンテナンスフリーではなく、使い続けることができる材料かどうか?を視点に材料選びをすることが耐久性につながります
 
 

6.特殊工法を組み込まない

  私は、設計者としての立場からいうと「耐久性のことを考えるとできるだけ特殊工法は組み込まない方がいい」と考えています。なぜなら、その特殊工法が将来的にメンテナンスができるのか?メンテナンス業者は存在し続けているのか?などが問題として残るからです。
 
できる限り、世の中に一番普及している材料で、どの業者でも改修工事に入れるような工法の方が、将来的にメンテナンスが可能になりますので、私はその方がオススメです。
 
もし、特殊工法を組み込んだ家づくりをしたい場合は、その会社に「将来的なメンテナンス計画や手入れ方法、30年後に全面的にメンテナンスしたい時に対応はどのようにできるのか?」などをぶつけてみてください。そこで、明確な回答が返ってくる場合は、安心感が増すでしょう。
 
 
以上が、耐久性を持たせるための6つのポイントでした。
 
これら以外にも、細かなポイントはまだまだありますが、大枠これらのことを抑えている設計士や施工会社であれば、細かなポイントもある程度抑えていることでしょう。
 
気になる方は、相談をしている専門家に尋ねてみるといいでしょう。

 

 

 

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家の耐久性を持たせるための6つのポイント(前半)

具体的に家の耐久性を持たせるには幾つかポイントがあります。
 
今回は、木造住宅の場合のポイントを6つお伝えしましょう。情報量が多いので、前半後半の2回に分けてお送りします。今回は、前半です。
 

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【家の耐久性を持たせることは、孫の代まで資産として残せるかどうかにもつながります】

 

1.外壁の壁内を絶対に結露させない

  屋外と屋内の内外温度差で、外壁内が結露すると、構造材が腐って全く役に立たなくなってしまいます。外壁内を結露させないことが必要最低条件です。
 
 ちなみに昔の家は、壁の中に全く断熱材が入っておらず、内外温度差がほとんど生じないくらい寒い家だったので、逆に壁内結露の心配は少なかったのが、今の家は断熱材を入れるので、結露の心配が出てきています。
 
具体的にどうするかというと、一番普及している充填断熱工法の場合は、適正な断熱材を設け、断熱材の部屋内側に防露シートを施します。この防露シートは絶対に破ってはいけません。破れていると、そこから冬の屋内の水分が壁内に入り結露するからです。
 
上記の話が難しく聞こえる場合は、設計者や施工者に「次世代省エネ基準以上の断熱性能で、部屋内側には必ず防露シートを設置して、絶対に破らないように施工してください」と伝えるのが守る手立ての一つです。
 
ウレタン吹付断熱の場合は、この防露シートは不要ではないか?という話をよく耳にしますが、私は反対です。なぜなら、竣工当初は、柱際など隙間がない状態ですが、家は動くので、断熱材と柱や梁の取り合いに徐々に隙間が開いていきます。そうするとこの隙間に屋内側の空気が通ってしまい、そこから結露する可能性があるからです。
 
上記の内容が総合して難しく聞こえる場合は、「壁内結露を出さないための御社の工夫を説明してください」と言って、しっかりと説明してくれる専門家かどうかを見極める一つにしてみましょう。
 
 

2.構造的に耐震性の高いものにしておく

  熊本地震を見ても分かるように、耐震等級を2以上にすることが一つの目安になってきました。ただ、それ以前の問題として、世の中の多くの木造住宅の構造が、確認申請時に構造検討を提出しなくてもいい特例があるため、中には「構造検討は不要」と勘違いして構造検討をしていない設計者、施工社がいて、ニュースにもなるくらい、業界の中でも構造に対する認識が低い状態です。
 
ですので、最低限、壁量計算や金物計算などの構造検討をしっかりとやっている会社かは見る必要があるでしょう。建売の家を購入する時でも、構造検討資料があるかどうかは確実にチェックしてみましょう。
 
 個人的には、木造住宅の構造に関しては「この家の担当者は、木造構造講習会受講及び認定済み」みたいな、認定制度があれば、多くの人が安心できるのではないかと思います。
 
現在個人的におすすめなのは、M'S構造設計の佐藤実さんが全国で開催している「構造塾」を受講している設計者、施工者です。木造に関して、安全性や耐久性を確保させるための知識をここで多くの専門家が学んでいます。
 
 

3.設備を20年後に取り替えやすい状態にする

  20世紀後半、日本の家の寿命は26年ぐらいだと言われていました。これは、家の耐久性のことも一因としてはありましたが、1960年以降に急激に普及した家電製品の数が増えたこと、または大型化したことで、部屋に納まりきれなくなったのも大きな要因でした。高度成長期だったので、建て替えても、それ以上に収入が増える時代だったので、リフォームするくらいなら建て替えようという流れもあったからです。
 
  21世紀になってからは、TVの大型化が進みましたが、これ以上家電製品が急激に増えることはないので、そのことで建て替えないといけないということはなくなりつつあります。そうなると今度は、設備の寿命による入れ替えがポイントになります。  
 
  設備の寿命は長くても大体20年が目安なので、そのタイミングで取り替えれるように、工夫を施した家になっているかどうかは重要です。
 
 家電製品のことで一つ付け加えるとしたら、これからの時代は、冷凍技術が進んだこともあり、冷蔵庫以外に、専用冷凍庫を置く家が増えてくる可能性があります。これからの家の場合は、専用冷凍庫を置く場所も想定しておくことはポイントになるでしょう。
 
(後半へ続く)
 
 
 
 

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住宅ローンを支払い終える頃の家の状態を知っていますか?

日本以外の先進国の家は「不動産」と言われています。


日本の家は、30年で建て替える「耐久消費財」として長年建てられてきた背景から、不動産としての地位を確立できていません。

 

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【家の耐久性、将来我が子に継がせるかどうか?など考えることはたくさんあります】

 

「20年経ったら、土地に価値があり上物(家)には価値がない」

とは、よく言われます。

 

多くの人は、最長の35年ローンを組み、コツコツと支払いながら
「これで自分にも資産ができた」
と思っています。

 

しかし、実情としては30数年後、
「このままボロボロのこの家に住みますか?それとも建て替えますか?」
という選択肢に直面するのです。

 

このことをどれくらいの人が現実問題として認識しているでしょうか?

 

既に家を手に入れている人は、そのことを踏まえて、これからの資産形成を考える必要があります。そして、これから家を手に入れる人は、「どれくらいの耐久性を家に求めるか?」を考えることが重要になります。

 

では、どれくらいの耐久性を家に求めるべきでしょうか?
それは手に入れたいライフスタイルと住む人の経済バランスによります。

 

例えば、


 ・雨風をしのげればいい
 ・自分たちがすまなくなったら解体して、土地を売るなり、
  子供が自分たちで建てればいい


という考えの人がいたとすれば、それに見合う家を建てるのも一つです。

 

ただ、私は専門家としては反対です。理由は、


 ・雨風がしのげれればいいという家は、確実に居心地は良くなく、もったいない
 ・同じお金をかけるなら、子供や孫の代の資産となるものを作ったほうがいい
 ・30数年で家を建て替えるとなると、地球環境を破壊し続けることになる


などです。

 

日本の場合、植林で木が育ち、構造材として使えるようになるまで約60年かかります。ドイツはそのサイクルが100年以上。

 

そこから考えると、最低60年は一つの目安になるでしょう。

 

またよく話しする内容ですが、親子3代で家を資産として活用し、家系の繁栄を築くという考えが、日本以外の先進国にはあります。この視点は、これからの時代ポイントは高いでしょう。

 

家の耐久性を高めるにはどうすればいいか?
はまた別の機会にお伝えします。

 

 

 

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なぜ無料でプランを提案しないのか?

「ハウスメーカーなどはプランを無料で提供してくれるのに、多くの設計事務所では、なぜしてくれないのですか?」
 
という質問を受けることがあります。

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私の事務所では、無料相談というものがあり、2時間ほど色々な話を聞かせていただき、その後土地が決まっていない場合は、土地情報を提供させていただいたり、土地取得のサポートは無償でしています。なぜなら仲間の不動産会社が連携して動いていただけるからです。
 
土地が決まって、プランを考える場合は、企画提案料として12万円(税抜)をいただくようにしています。この金額は設計事務所によってまちまちでしょう。
 
その後契約に至れば、上記の費用を設計料に充当して設計を進めます。
 
設計事務所はどこからお金がかかるのかが分かりづらいという声もよく聞きます。
 
実際に業界のトラブルで、「設計事務所から絵が出てきて、気に入らなかったので、他に当たりますという話になったら突然お金を支払ってくれと言われたと」いうものがよくあります。
 
設計事務所としては、契約前提で進んでいて、かなり突っ込んだプランなどまで描いたから他に話が流れることはないだろう、というような気持ちでやっていたんだと思いますが、どこから有料がきっちりと先に伝えることは重要でしょう。
 
話を元に戻しますが、「なぜ無料でプランを提案しないのか?」
答えの一つですが「プランを作るには実際に時間を費やし、会社として経費がかかっているから」です。
 
例えば、一つの案を作ってまとめるのに5日ぐらいかかるとします。一人当たりの人件費を借りに3万円だとすると約15万円。
 
もし、この費用をいただかないとどのようなことになるか?
結局は契約した人の設計料に上乗せするしかなくなります。
 
僕たち設計者は「お施主様の資産を最大限有効活用すること」も仕事の要素として大切です。
 
そう考えると、できる限り上乗せするような設計料の出し方はしたくない。
 
それが答えの一つです。
「ただほど高いものはない」とよく言われますが、フリーミアムから程遠い建築業界ではまさにその通りでしょう。
 
本質的な答えとしては、僕は「お金=感謝のエネルギーの総量」だと考えているからです。
 
そのためには、プランを見たお施主様が「まさにこれは僕の想像をはるかに超えた家!」というものにすることが必要です。もし、そこまで出来ているのなら、逆に有料にして費用をもらうべきだと思います。
 
昔から「アイデアは有料か無料か?」という議論があります。
 
「すでにアイデアは出尽くしているから、すべてはモノマネでしかない」
「アイデアは、その人が数10年経験してきたものすべてを含んでいるから、それだけの価値がある」
 
など、いろいろな考え方があるかと思います。
 
僕は、双方の考えともあると思うし、双方とも否定するつもりはありませんが、アイデェア自身にフォーカスするのではなく、そのアイデェアが相手の魂を震わせるかが重要でしょう。

 

 

 

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設計事務所と工務店は何が違うのか?

無料相談を受けたり、家づくりの勉強会を開催するときは、
設計事務所は「家を考える専門家」、工務店は「家を建てる専門家」
というふうにお伝えしています。

 

しかし、近年は工務店の中でも飛び抜けて設計力の高い会社も、
ちらほら出てきていて一概にそのように言えなくなりました。

 

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【設計事務所は、家を考える専門家。日々、設計力を高めることを人生全般から吸収したいと思うこの頃(八納)】

 

そうなると違いは、設計事務所は「家を建てることができない」
ということだけになってしまいます。

 

自分も含めて「設計事務所頑張れ!」という気持ちになります。

 

そういった意味でも、設計力を高めることが重要ですし、私の場合は、妻が心理カウンセラーということもあり、夫婦や家族の心理状態を考えた空間づくりや、子供の才能が
どういう環境だったら伸びやすいかなどを追及して、日々設計をしています。

 

設計事務所としては何かしらか、強みを見出していく作業が必要でしょう。

 

さて、設計事務所と工務店の違いとして、もう一つ言えるのは、「設計事務所はお施主様側についた専門家」というものがあります。

 

工務店は建てる側、
お施主様は建ててもらう側、

 

お施主様と工務店の双方には、少なからず利益の相反する部分が出てきます。


繁盛している工務店は、お施主様の立場にしっかり立った対応をしているケースも多いですが、なかなか真似はできません。

 

設計事務所は、お施主様の専門家窓口としても機能しますので、お施主様の資本や利益を守るために工務店と向き合う場面も出てきます。

 

そういった意味でも、設計者と工務店はピリピリした関係になってしまうこともあります。

 

優秀な設計者は、お施主様の立場に立ちながら、かつ工務店に気持ち良く仕事をしてもらう人格を持ち合わせています。

 

工務店からしたら「この設計者の仕事をすることが誇りに思える」という感じなのでしょう。

 

そのためにも、設計者は工務店が一緒に仕事をして誇れる「何か」を持ち合わせることが重要なのでしょう。

 

設計者と工務店、同じ業界で切磋琢磨する者同士としてお互いの専門性を高めあい、尊重しあいながらいい家づくりを広めたいものです。

 

日々切磋琢磨です。

 

 

 

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TV番組からの誤解「え!設計者って毎日現場に行かないのですか?!」

「先生に端から端まで設計に関わってもらいたいので、他の物件はやらないでほしい」
という要望を受けたことが何度かあります。
 
テレビのビフォー&アフターなどを見てそのように思ったと言っていたのですが、それは実情とは違っています。
 
TV番組ビフォー&アフターは、家づくりや設計士のことを身近に感じてもらえるための素晴らしい番組だと思います。

しかし、反面・・・

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「TVで公開している建設費や設計料とまったく違う」
「TVのように日々現場に来てくれるのじゃなかったのですか?」
というクレームを受けて、苦労している出演者も多いと聞きます。

私のところにも以前TVプロデューサーが来たことがあり、いろいろと背景を聞いて知っています。推測で物は言えないので建設費に関してはそれぞれの判断にお任せします。もし、改修工事を依頼する場合は、設計事務所や施工会社なりにどれくらいかかりそうかを聞いてから判断するようにしましょう。

もう一つの誤解です。
それは「日々現場に来てくれる」という誤解です。

ここは、きっちり説明したいと思います。
まず、家づくりに携わるメンバーとして、設計者と施工者の2者がいます。

細かく説明すると分かりづらくなるので、シンプルにそれぞれの役割をお伝えすると、

設計者は、
 ▼言葉通り設計をし、設計図を描く
 ▼設計図通りに、現場が出来ているか重点的にチェックする


施工者は、
 ▼言葉通り現場の工事をする
 ▼設計図通りに、施工がなされているか日々管理をする

という感じで分かれています。

ポイントは、設計者と施工者がそれぞれいて、現場に足を運ぶ頻度が違うということです。

施工者の場合は、ほぼ毎日現場に行き、その日の現場の施工状況を確認したり、職人さんの手配をしています。その人のことを現場監督と言います。


設計者の場合は、新築の時は多くて週に1度ぐらい現場に行き、現場監督に報告を聞きながら、重点的に現場のチェックをします。リフォームの時はもう少し現場に行く頻度は増えますが、それでも毎日ではありません。


重点的なチェック(新築の場合)とは、
 ・建物の位置の確認
 ・基礎下の地盤の状況確認
 ・基礎の配筋や型枠の設置状況
 ・基礎打設後のアンカーボルト位置の確認
 ・プレカット図のチェックと上棟後の構造のチェック
 ・構造金物の取付状況チェック
 ・設備&電気などの配管、配線状況チェック
 ・断熱施工状況などのチェック
 ・内装工事の仕上がり状況チェック
 ・外構を含め全て完成した時点での全体チェック
など。


それ以外にも設計事務所では独自の現場チェック項目を持っていたりします。


例えば、弊社の場合は、

 ・断熱、気密施工の指導、チェック
 ・スイッチコンセントのお施主様の立会い検査
 ・仕上げなど現地に持ち込んでお施主様立会いで仕上げ決定

など、現場によって、その他バリエーションがありますが、だいたいそういった感じです。

現場に行っている時以外は、事務所にてプレカット図、詳細納まり図などの施工図をチェックしたりもしています。

それぞれが役割分担で、連携を取っていくのが設計であり、現場なので、全体のイメージをつかんでみてください。

 


 

 

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