理想の注文住宅を建てるには

理想の注文住宅を手に入れ、絶対に失敗しないための注文住宅の秘訣を1級建築士である建築家八納啓創がお伝えするブログです

家の耐久性を持たせるための6つのポイント(前半)

具体的に家の耐久性を持たせるには幾つかポイントがあります。
 
今回は、木造住宅の場合のポイントを6つお伝えしましょう。情報量が多いので、前半後半の2回に分けてお送りします。今回は、前半です。
 

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【家の耐久性を持たせることは、孫の代まで資産として残せるかどうかにもつながります】

 

1.外壁の壁内を絶対に結露させない

  屋外と屋内の内外温度差で、外壁内が結露すると、構造材が腐って全く役に立たなくなってしまいます。外壁内を結露させないことが必要最低条件です。
 
 ちなみに昔の家は、壁の中に全く断熱材が入っておらず、内外温度差がほとんど生じないくらい寒い家だったので、逆に壁内結露の心配は少なかったのが、今の家は断熱材を入れるので、結露の心配が出てきています。
 
具体的にどうするかというと、一番普及している充填断熱工法の場合は、適正な断熱材を設け、断熱材の部屋内側に防露シートを施します。この防露シートは絶対に破ってはいけません。破れていると、そこから冬の屋内の水分が壁内に入り結露するからです。
 
上記の話が難しく聞こえる場合は、設計者や施工者に「次世代省エネ基準以上の断熱性能で、部屋内側には必ず防露シートを設置して、絶対に破らないように施工してください」と伝えるのが守る手立ての一つです。
 
ウレタン吹付断熱の場合は、この防露シートは不要ではないか?という話をよく耳にしますが、私は反対です。なぜなら、竣工当初は、柱際など隙間がない状態ですが、家は動くので、断熱材と柱や梁の取り合いに徐々に隙間が開いていきます。そうするとこの隙間に屋内側の空気が通ってしまい、そこから結露する可能性があるからです。
 
上記の内容が総合して難しく聞こえる場合は、「壁内結露を出さないための御社の工夫を説明してください」と言って、しっかりと説明してくれる専門家かどうかを見極める一つにしてみましょう。
 
 

2.構造的に耐震性の高いものにしておく

  熊本地震を見ても分かるように、耐震等級を2以上にすることが一つの目安になってきました。ただ、それ以前の問題として、世の中の多くの木造住宅の構造が、確認申請時に構造検討を提出しなくてもいい特例があるため、中には「構造検討は不要」と勘違いして構造検討をしていない設計者、施工社がいて、ニュースにもなるくらい、業界の中でも構造に対する認識が低い状態です。
 
ですので、最低限、壁量計算や金物計算などの構造検討をしっかりとやっている会社かは見る必要があるでしょう。建売の家を購入する時でも、構造検討資料があるかどうかは確実にチェックしてみましょう。
 
 個人的には、木造住宅の構造に関しては「この家の担当者は、木造構造講習会受講及び認定済み」みたいな、認定制度があれば、多くの人が安心できるのではないかと思います。
 
現在個人的におすすめなのは、M'S構造設計の佐藤実さんが全国で開催している「構造塾」を受講している設計者、施工者です。木造に関して、安全性や耐久性を確保させるための知識をここで多くの専門家が学んでいます。
 
 

3.設備を20年後に取り替えやすい状態にする

  20世紀後半、日本の家の寿命は26年ぐらいだと言われていました。これは、家の耐久性のことも一因としてはありましたが、1960年以降に急激に普及した家電製品の数が増えたこと、または大型化したことで、部屋に納まりきれなくなったのも大きな要因でした。高度成長期だったので、建て替えても、それ以上に収入が増える時代だったので、リフォームするくらいなら建て替えようという流れもあったからです。
 
  21世紀になってからは、TVの大型化が進みましたが、これ以上家電製品が急激に増えることはないので、そのことで建て替えないといけないということはなくなりつつあります。そうなると今度は、設備の寿命による入れ替えがポイントになります。  
 
  設備の寿命は長くても大体20年が目安なので、そのタイミングで取り替えれるように、工夫を施した家になっているかどうかは重要です。
 
 家電製品のことで一つ付け加えるとしたら、これからの時代は、冷凍技術が進んだこともあり、冷蔵庫以外に、専用冷凍庫を置く家が増えてくる可能性があります。これからの家の場合は、専用冷凍庫を置く場所も想定しておくことはポイントになるでしょう。
 
(後半へ続く)
 
 
 
 

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