理想の注文住宅を建てるには

理想の注文住宅を手に入れ、絶対に失敗しないための注文住宅の秘訣を1級建築士である建築家八納啓創がお伝えするブログです

Q&A 急に家を購入する話が出てきて、とんとん拍子で進んでいるのですが、急すぎて戸惑っています。どうずればいいでしょうか?

(ご質問)
急に、家を購入する話が動き出して、とんとん拍子のうちに話が進み始めました。あまりにも急なので、戸惑っています。こういった時はどうすえばいいでしょうか?
 

f:id:yanoukeizou:20170114122823j:plain

 
 
(八納の回答)
 
急に物事が動き始めると、戸惑う気持ち分かります。
特に住居に関しては、人生の中でも大きなイベントの一つなので、より戸惑う気持ちが出てくるでしょう。
 
こういった時どうすればいいか?
まず、一番重要なのは当たり前のように聞こえるかも知れませんが、「夫婦、パートナーと本音で話をしてみる」ことです。しかし、なかなかこれが出来ません。
 
なぜなら、急に物事が動いているときは、パートナー間で力学が生じます。具体的には一方が、説教的に、もう一方が消極的になります。これは、力学として必ず起こります。そして意見がなかなかかみ合わない状況に陥りやすいからです。
 
ご質問いただいている方の場合は「消極的」な立場からご質問いただいているのが分かります。
 
こういった時には、お互いの気持ちをしっかりと話し合うことからスタートしましょう。
 
「このタイミングを逃したら、そうそう家は手に入らないよ!」
「でも、気持ちばかり焦って家を購入しても後で後悔しないかしら?」
 
というふうに、思っていることや感じていることをまず口にしてみます。
 
この時に大切なのが、
「そんなに慎重になっていたら、何も人生は進まないよ!」
と積極的な方が、相手を説得するようにコミュニケーションをしてはいけません。
 
ポイントは、
「相手のいうのももっともだ、自分が感じていないだけかもしれない」
「相手のいうのももっともだ、自分には流れが見えていないだけかもしれない
相手側の視点を持つことです。
 
そこで相手に
「君がそこまで言うんだったら、自分たち二人にとっても意味があることに違いない」
と思い合うことで、お互いの感じていることや考えていることをすり合わせていきます。
 
そうすると
「なるほど、だから君はそう感じていたんだね」
「なるほど、だからあなたはこのタイミングがいいと見据えているのね」
と考えや感じるところが共有できるようになります。
 
多くの場合、このやりとりをなしに、積極的なエネルギーを出している方に押し流されがちです。もちろん物事を進める上では、積極的なエネルギーは必要です。
 
しかし、そこには、共有できる感情、感覚も必要です。
まずは、そういった視点で話し合ってみてください。
 
 
 

Q&A 率直な質問ですが、なぜ気密と断熱が大切なのですか?

(ご質問)
最近、いろいろなところで高気密、高断熱の家というフレーズを見ます。
冬暖かく、夏涼しい家が理想ですが、断熱材がある程度いるのは分かりますが、例えば気密が必要な理由などちょっと良く分かりません。またそれ以外に、押さえるところはありますか?いろいろと聞いてごめんなさい。
 

f:id:yanoukeizou:20161215001010j:plain

【1.5階分の高さの吹き抜けを有するLDK。断熱と気密をしっかりとれば、これくらいの空間を12畳用のエアコンで光熱費を押さえて十分暖かく、涼しくすることが可能です】
 
 
(八納の回答)
聞いてくださってありがとうございます。こういった質問大歓迎です。
 
さて、ご質問の件。
ここ数年、国の動きも含めて家の省エネ化の取り組みが進め始めました。
一言でいうと「光熱費のかからない、地球環境に負荷の少ない住まいづくり」を目指しています。一般の人たちに分かりやすいフレーズが「光熱費がかからず、冬暖かく、夏涼しい家」でしょう。
 
さて、断熱と気密の働きについてですが、私は良く衣服に例えています。
断熱が「セーター」であれば、気密は「ヒートテック」です。
 
例えば、冬場、裸に直接セーターを着て外を歩くのを想像してください。
・・・・寒いですよね(笑)。
 
それに対して、ヒートテックを着て、その上にセーターを着れば暖かくなると思います。
 
イメージで理解してもらえると嬉しいのですが、衣服で例えるといくらセーターがぶ厚くてもすき間が空いていたら寒いのと同様、家の断熱材がぶ厚くなっても、ヒートテックにあたる気密が無ければ、隙間から外気が入ってくて、冬場は家の中にどんどん冷気が入ってくる寒い家になってしまいます。
 
これが断熱と気密の役割です。
断熱と気密はセットで考える必要があるのです。
 
では、どの程度断熱と気密を取ればいいかもお伝えしましょう。
 
2015年ごろまでに主に使われていた言い方ですが、断熱の性能を表す熱損失係数Q値というものがあります。2020年に現在、次世代省エネ基準と言われているものが「必須」になります。関東~九州までの太平洋、瀬戸内海沿岸エリアでは、この数字が2.7です。数字が大きいほど性能が落ちていきます。参考までに、フランスで同じ気候エリアでは、この数字を2.0以下にすることが義務付けられています。世界の基準からみても、日本で2020年に義務化される基準がまだまだ遅れていることが分かるでしょう。
 
気密に関してです。今の日本には「気密」に関しての規制がありません。しかし、別のQ&Aでもお答えしましたが、ヨーロッパ基準並みの気密性能は必須です。少し専門用語でいうと、隙間相当面積C値というものが、1を最低切るくらいは、一つの目安にしたいところです。出来れば0.5を目指したいですね。このC値が大きくなればなるほど、隙間が大きくなります。
 
ちなみに、日本でも以前目安の基準として北海道などで2、太平洋沿岸や瀬戸内海では5という数字がでていました。・・・5というのは1の5倍の隙間です。
 
この目安ですが、現在は省エネの基準から項目からなくなりました。
その背景はいろいろとありますが、なくなったからと言って、無視していい数字ではありません。
 
逆に言うと、一般の方が「気密はC値で1、出来れば0.5を切るようにお願いします」というフレーズを覚えていただく必要があります。もちろんそういったことに詳しい設計事務所工務店の場合は、問題なく対応できると思いますが、まだまだ業界の中でも知識を持ち合わせている人が少ないのが現状です。
 
断熱、気密以外のところで押さえた置きたいのは
「夏に極力家に太陽光を入れず、冬に出来るだけ太陽光を入れる工夫」をすることです。
 
これをパッシブデザインと言いますが、窓の位置や窓の性能、方位に合わせて庇を出すなどで対応していきます。特に、家の南側は庇が重要です。
 
これくらいの知識を持っておくと、上記の話についてこれない専門業者を見極めやすくなります。
 
最後は余談になりましたが、参考にしてもらえると嬉しいです。
 
 
 
 
 

ぜひ多くの方に「障がい者」の方々が住まう「住まい」について知ってほしいことがあります

今回は、八納が手掛けている建築の中でも住宅の話ではなく、障がい者の方が住む「住まい」について話をしたいと思います。
 
障がい者は、基本的に「身体障がい」「精神障がい」「知的障がい」に分類されます。また、1区~6区というふうに、障がいの重さが高くなるほど、数字が大きくなります。
 

f:id:yanoukeizou:20170110094250j:plain

いま全国に障がい者、合計で740万人いて、在宅者は今約687万人と全体の93%近くになります。
 
そして、年々障がい者出生率も増えていて、人口減少する中、障がい者の比率は高くなる一方です。
 
詳しくは内閣府のHPをご覧ください。
 
現在、障がい者を持つ親の年齢で70歳以上の方も多く、
「この子は私たちが死んだらどうやって生きていけばいいんだろう?」
と、日々不安に感じています。
 
両親がなくなると、その住まいに一人で住む。
自立してそれで住まえればいいのですが、やはり、そういった方々のコミュニティがとれるプラットフォーム、サポートできる仕組みが必要です。そういった意味でも、そういった人たちが住まえる「住まい」があれば、それがプラットフォームにも十分なりえます。
 
しかし、施設は人数の1割にも満たなく、圧倒的に不足しています。
そういった中、障がい者を持つ、親たちが連携を組んで、昼間に働ける就労支援施設を作るも、人数の確保と運営ノウハウがないためにうまくいかないケースも多く、非常にもどかしい状況です。
 
結論から言うと、圧倒的に障がい者の方々が、自立またはサポートを受けて住める「住まい」が足りません。
 
彼らの「住まい」が、いくらあっても足らない状況なのです。
 
現在、国の許可が出るのは、10名以下で住める「グループホーム」。トイレやお風呂、リビングダイニングが各階に1つづつあって、各階に5人づつが住まえる「家」みたいな形態です。新築で建ててもいいですし、街中の空きビルなどを活用してグループホーム化することも可能です。
 
また、一人の責任者で30人まで看ることが出来るので、10名×3棟=30人という形でグループホームを造ると経営的にも利益の最大化が可能です。
 
国からの給付金と一度住むと生涯ずっとそこに暮らす人がほとんどのため、空室率も気にしなくていい、家賃もある程度国から保証されているような形態のため、一般的なアパート系不動産投資よりも安定的で、表面利回りも15%近くで回る実績も出ています。
 
グループホームは、一般の法人でも運営が可能です。
 
1区~3区の障がい者の方の場合は、自立して生活も可能なため、そういった方々に住んでもらうグループホームに関しても、各地方自治体も協力的だと聞いています。※地域差があるかもしれません
 
 
現在、私の事務所では広島市の五日市にグループホームと就労支援施設、デイサービス、介護事業所を併設した障がい者施設を設計し、建設中ですが、今後、こういった施設プロジェクトがどんどん増えて、障がい者の方が住まいやすい住環境の整備が進むことを祈っていますし、私自身そこに「家づくりで培った住み心地のいい住まい」を提供できればと考えています。
 

f:id:yanoukeizou:20170110094440j:plain

      【五日市に施工中の障がい者施設 ~ひといき~】
 
実は、グループホームと就労支援施設の組み合わせで、収益がしっかりと上がって平均20%で回るビジネスモデルもあります。現在、そのことをご紹介できるHPも作成中ですが、次の時代の福祉施設を担う存在になっていくと私は考えます。
 
弊社の今年の抱負の一つに「障がい者施設を地域に普及させる」があります。
この記事を読んだ方で、周りにご興味がある方がいましたら、ぜひシェアをしてください。
 
 
 
 

Q&A ある程度自分たちの夢が明確になりました。そのあとは家を購入するに際し、どういったことを具体的にやっていけばいいですか?

(ご質問)
八納さんの著書を拝見して「家に夢を盛り込む」「叶えたい夢を盛り込んだライフスタイルを明確にする」ことの大切さを知りました。私たちにとっての家族の夢も明確になってきました。では、その次にどのようにしていけばいいでしょうか?何に気をつければいいでしょうか?
 

f:id:yanoukeizou:20170110084426j:plain

【自分たちのそれぞれの夢を込めて建てた家には、家族を後押ししてくれるエネルギーがこもりますT様邸】

 
(八納の回答)
拙著をご覧くださってありがとうございます。夢が明確になってきたということでおめでとうございます。
 
その次に具体的なアクションとして考えたいのは、「お金の専門家探し」と「ハウスメーカー工務店設計事務所の中から自分たちにあった家づくりに応えるパートナーを探す」ことです。
 
お金の専門家というのは、家づくりの場合は一般的にファイナンシャルプランナーが適任です。同じ年収だったら同じぐらいの家を手に入れるのは問題ない、と思って予算を出す人もいますが、生活スタイルによっては年収が同じでも、家に使える金額は全く違ってきます。
 
また、銀行にいって自分の年収がどれぐらいか相談して、総額を出す人もいますが、あくまでも年収に対して貸し出しできる金額しか教えてもらえません。
 
そういった時に、自分たちの家族構成や年収、普段のお金の使い道、今後のレジャーなど、どれくらいお金を費やしたいか?などを総合的にみて、住宅を購入するのにどれくらいお金を割いても大丈夫かを判断してくれるファイナンシャルプランナーは強い味方になります。
 
ここを適当すると、「だいたい自分の年収や周りの同僚たちの感じから行くと3000万円くらいだろう」とイメージして、2000万円ぐらいの土地に一目ぼれして、「この土地を逃したら、もう手に入らない!」と思って購入し、「残り1000万円でどうにか家を建てれないか?」といろいろあたるけれども一番安くて1500万円、自分たちの望む家を見積もってもらうと2500万円!ということが分かり愕然とする、、、、みたいなパターンに陥ってしまします。
 
これは、笑い話でなく本当にこういった形で予算オーバーされる方が多いのです。
 
そうならないためにも、「財布から出ていく総額をきっちりとイメージする」お手伝いをファイナンシャルプランナーの方にお願いして出してもらいましょう。
 
ちなみに、予算オーバーしないための方法はこちらでもお答えしています。
 
その次に大切なのは、自分たちが望む家を誰が造ってくれるのか?を見極めることです。基本的にはハウスメーカー工務店設計事務所」のいづれかがパートナーになるでしょう。
 
それぞれの違いは、この小冊子で詳細にお答えしていますので、興味がある方はこちらからダウンロードしてください。
 
 
 
 
 

Q&A 漠然と家を欲しいと思ってきたのですが、何から始めればいいですか?こんな質問で申し訳ありません

(ご質問)
はじめまして!漠然とした話で恐縮ですが、家を購入したいと思っています。ただ、何から始めればいいか分かりません。こんな質問で申し訳ないですが、教えていただけますか?

f:id:yanoukeizou:20170109113111j:plain

   【畑付きの土地を手に入れたい!と願って、数か月後念願の土地を手に入れた瀬野川の家】

 
 
 
(八納の回答)
ご質問くださってありがとうございます。漠然として質問が出来ないという人が多いなか、まずは何でも聞いてみようという姿勢は素晴らしいと思います。
 
家が欲しいと思う人たちのきっかけは様々です。ですので、一概に答えはないのですが、まずは気持ちの棚卸をしてそれをご家族で共有するところからスタートするのがいいでしょう。3つのステップで紹介しましょう。
 
STEP1 なぜ家が欲しいと思ったのかを書き出す
 
まず、気持ちの棚卸として
「なぜ家が欲しいと思ったのですか?」
という質問に答えてみてください。
 
  「今のアパートが手狭になってきたから」
  「時期的にそろそろだと思って」
  「今のまま家賃を払うのがもったいないと思ったから」
  「子供が生まれるのでそれに合わせて」
  「子供の小学校の学区を考えてそのエリアで土地を探したいと思って」
 
など、様々な答えがあるでしょう。
 
時間を取って、書き出してみてください。
 
そして、書き出した内容を、ご家族と共有してみてください。
もしかしたら、パートナーが
「あら、私の思いはこうよ」
と言いながら、項目が増えるかも知れません。
 
 
STEP2 項目の中にワクワクときめく内容が入っているかを見てみる
 
そして、それらの項目を眺めてみてください。
こんまりちゃんじゃないですが、それらの項目中に「ワクワク」「ときめき」の要素が
入っている項目はありますか?
 
「そういえば、ワクワクする項目なんて一つも入っていない!」
と意気消沈する人もいますが、まずは冷静にみてみましょう。
 
 
STEP3 ワクワクときめく項目を追加して、家族で共有する
 
ワクワクときめく項目がない場合は、追加してみましょう。
もし項目がもともとあったら家族でその内容を共有してみましょう。
 
「お風呂でゆったりと月を眺めたような生活がしたい」
「オーガニックな野菜が作れる庭がついた家で自然を満喫したい」
「サロンを併設してライフワークに輪をひろげたい」
「子供たちの思い出に残る木の香り溢れる日々を積み重ねたい」
「一家団欒で笑顔の絶えず、床に直接どて~っとした暮らしがしたい」
 
など、他の人の内容をみたらとても新鮮に映るようなものもあることでしょう。
まずは、自分自身や家族の「ワクワク」「ときめき」の要素の入った答えを導いてみましょう。
 
 
・・・今回のQ&Aにお答えとして3つのステップを紹介しました。
 
何から始めればいいか?ですが、これまで素敵な家を手に入れて充実したライフスタイルをエンジョイしている人たちは、一様に「ワクワク」「ときめき」の要素の入った答えを持っていました。
 
ここに根底がある限り、家を手に入れる動機は揺るぎません。
ここが何よりも増して重要ですので、まずはやってみましょう。
 
 
 
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 

Q&A 最終的に坪単価が20万円も上がってしまいました。私たちの要望が高すぎるのでしょうか?

(ご質問)
坪単価という考え方は、とても分かりやすいと思っていたのですが、先日あるハウスメーカーで見積もりをしてもらったら、最終的に坪20万円も高くなりました。私たちの要望が高すぎるのでしょうか?何を基準に考えれば分からなくなりました。
 

f:id:yanoukeizou:20170108105131j:plain

 
(八納の回答)
まずお伝えしたいのは、坪単価という考え方をやめることです。というのも、坪単価というものは、分かりやすそうに見えて、実はとてもあいまいで分かりにくいものだからです。
 
そこを具体的に説明しましょう。
 
坪単価の坪数は、家の大きさですよね?
でも、その家の大きさの数字が、設計事務所工務店ハウスメーカーで違ってきます。
設計事務所の場合は、純然たる室内の床の面積。
工務店ハウスメーカーはそれにバルコニーの面積や玄関ポーチの面積、吹き抜けの面積も入れたりします。
 
そうなると、設計事務所では35坪の家と言っている床面積も工務店ハウスメーカーでは40坪と言っている可能性も高いのです。
 
例えば、総額2500万円の家があるとしましょう。設計事務所の坪数で割れば、71.42万円。工務店ハウスメーカーの坪数で割れば、62.5万円。同じ家なのに、坪単価が9万円近く違って見えるのです。
 
さらに家の総額という言い方をする場合、家の母屋本体の値段のことを言っていることもあれば、庭工事なども含めている場合もあります。
 
だいたい坪単価という言い方をする場合は、母屋本体の値段だけをいうケースが多いです。こうなると、カーポートが必要、門扉が必要、柵が必要、といった具合にオプションを追加すれば、どんどん金額が高くなり、初めにイメージしていた総額と全然違ってきたりしてしまいます。こうなると、家づくりを楽しむことは難しいです。
 
ご質問者の方が最終的に坪20万円増えたというのは、必要なオプションなどを追加していった結果で、決してご要望が高すぎたからだとは思いません。それ以上に、業界の金額の算定方法が、一般の方に不親切なんだと私は考えています。
 
そこでお薦めなのが「家関係で私たちの財布から出ていくお金の総額で常に伝えてください」と言いながら、総額を常につかむ方法です。「もし工事と別途に財布から出ていくお金がある場合は、合わせて教えてください」と伝えておけば、信頼できる専門家の場合は、オープンに全部教えてくれるでしょう。
 
 
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

Q&A 設計事務所に家づくりを依頼したいと漠然と思うのですが、どれくらいの坪単価と設計料がかかるのでしょうか?

(ご質問)
設計事務所に家づくりを依頼したいと漠然と思っているのですが、設計料のことやその他どれくらいの坪単価なら設計を受けてもらえるか良く分かりません。ちなみに、八納さんのところでは、どうなのですか?
 

f:id:yanoukeizou:20170107085121j:plain

 
(八納の回答)
 
設計事務所によって、まちまちですから、気に入った設計事務所が出てきたらその事務所のHPをご覧になってください。また分からない場合は、気軽に問い合わせられるといいと思いますよ。
 
設計事務所に相談にのってもらっているとどこから費用がかかるか分からない」という不安の声もよく聞きますが、「費用がかかる前に、必ず言ってください」と初めに言っておけば大丈夫です。
 
無料相談というものをやっている事務所もありますので、まずは問い合わせされるとよろしいかと思います。設計料は、設計事務所によって違いますが、建設費の5%~15%ぐらいが多いですね。
 
さて、私の事務所の場合ですが、これまでいろいろな価格帯の家づくりを行ってきました。ちなみに坪単価という考え方はしていません。なぜなら、そこには数字のマジックがあって、坪単価30万円という家が、最終契約時に坪50万円ぐらいになったりと建てる人にとって分かりづらいからです。これはまた別の機会に詳細をお伝えしましょう。
 
私の事務所ですが、「財布から家関係で出ていく総額」を常に意識していて、家の建設費の総額が2000万円ぐらいから大きなもので1億数千万円と幅が広いです。
 
ただ、この数年の建設費の高騰(木造で1割UP)と、毎月の住宅ローン+光熱費の合計(※)から考えると30坪の家の建設費で2500万円以上かけたほうが10年後に光熱費の差額により元が取れると考えています。
 
また家の建設費以外にもその他諸経費や設計料(建設費の8~10%ぐらいが多いです)で300~500万円近くかかりますので、30坪の大きさで家関係でざっくりと総額2800万円~ぐらいが一つの目安だと考えています。
 
 
 
 

Q&A 高気密高断熱の家は、息苦しそうに思うのですが、実際どうなのでしょうか?

(ご質問)
最近「高気密・高断熱の家がいい」という話をよく聞きますが、高気密と聞くと息苦しそうに感じるのですが、本当に問題ないのでしょうか?
 

f:id:yanoukeizou:20170106131400j:plain

    【気密測定をしている工事現場風景 ほとんどの現場では気密測定をやらない?!】

 

(八納の回答)
 
まず、ご質問されている方は「ビニール袋に顔を突っ込んだ状態」をイメージしているのではないでしょうか?
 
確かにビニールに顔を突っ込んでいたら苦しくなるでしょう。
 
しかし、住宅の場合の気密性というものは、そのイメージで考えると大きく誤解してしまいます。どちらかというと、気密を高めてもようやく「すきま風」を押さえることが出来るぐらいだからです。
 
例えば、日本の北海道などのエリアで以前推奨されていた気密のレベルで言うと、排気口から100空気が出ると、約30ぐらいが吸気口からはいり、のこり70はすき間から入ってくるぐらいのレベルです。
 
みなさんが思っているほどのレベルでは全くありません。
 
さらに高気密化を図ってこの北海道レベルの倍の性能にしても、吸気口から60~70ぐらいしか入ってこず、残り30ぐらいはやはりすき間から入ってくるレベルです。
 
ちなみに他の先進国で求められている最低の気密基準が北海道基準の倍の性能です。
 
さらに、進んで高気密化を図っている会社もありますが、息苦しくなることはありません。
 
では、なぜ息苦しく感じると「思う」のでしょうか?
 
それは、高気密・高断熱化を図ると外部の音が入らなくなり、室内が「無音」状態になってきて、「し~ん」としている室内にいるのを心理的に落ち着かなくなり、それを「居心地悪く」感じてしまうからです。
 
あまりにも「無音」だと人は落ち着かない。じゃ、音が入るようにすればいいのか?・・街中だと車の騒音が入ってくるだけです。郊外だと、鳥のさえずりや川のせせらぎなどは取り入れたいところです。郊外では季節のいい時は窓を解放したいですね。
 
締め来ている時期や街中などの場合は、室内でBGMをかけたりすることで落ち着くイメージを演出させます。
 
そうすると、気持ち的にも落ち着きやすく、逆に騒音がなく気持ちも穏やかになるでしょう。

Q&A 二世帯住宅を建てるときに、実際に間取りの計画で悩んでいます。親との距離感など含めて気をつければいいポイントはあるでしょうか?

(ご質問)
「二世帯住宅を建てるときに、実際の間取りの計画で悩んでいます。親との距離感など含めて気をつければいいポイントはあるでしょうか?」
 

f:id:yanoukeizou:20170105195226j:plain

 
(八納の答え)
 
二世帯住宅を建てるときの心構えについては、別のQ&Aでお答えしましたので、今回は心構えの次に押さえておきたい話を3つのポイントでお伝えしましょう。
 
 
ポイント1)親との距離感について
 
夫婦間でしっかりと話し合えれば、
 
「私は、お母さまとキッチンは共有でも構わないわ」
「リビングは基本一つだけど、自分たちの寝室にセカンドリビングぐらいは欲しい」
「玄関は共有でもいい」
「基本的に玄関も分けて、家自体を別けた構成にしたい」
 
などと、自分たちにとって親との距離感を共有することが出来ます。
 
もちろん親の意見も出てくるでしょうが、その前に自分たちにとって、どれくらいの距離感で間取りを作りたいか?は夫婦でしっかりと話し合いましょう。それぞれの夫婦がそれぞれで話し合って要望を出し合うのがベターです。
 
この時「お金は誰がだすから、その人の言うことを聞きなさい」的な流れになると、トラブルもとになります。ここを外した状態でそれぞれが話し合って持ち寄ることを事前に確認しあっておきましょう。
 
 
ポイント2)上下階などの位置関係について
 
1階の親世帯、2階に子世帯が住むような間取りにする場合は、上下階の音に関して注意が必要です。ご家庭によりますが、親世帯は午後5時台ぐらいにお風呂に入り、9時ぐらいには寝てしまうケースもあります。親世帯の寝室の上が、お風呂であったり、子世帯が活発に動いているリビングだったりすると、その音や振動が伝わって親世帯が眠れずストレスになることがあります。
 
上下階で部屋のレイアウトをする場合で親世帯の寝室が1階の場合は、その部屋の上部を出来る限り人が入らない部屋などにするなどの工夫が必要です。
 
また、どうしても上下階になる場合は、2階の床と1階の天井裏で防音と遮音を施すように施工者や設計者に要望を出してみましょう。
 
 
ポイント3)20~30年後の使い方も考えておく
 
シリアスな話ですが、二世帯住宅を建てる場合、家族構成で一番人数の多いときに家を建てがちです。
 
そうなると、20~30年経つと、子供が巣立ち、親も先立って、夫婦二人の生活になっている可能性も高くなります。ただ、設計においてそういったシリアスな話を出すのはタブーとばかりに誰も触れずに家を設計してしまっては、将来部屋が余って仕方がない家になってしまいます。
 
拙著にも事例で紹介していますが、二世帯住宅で建てたクライアントのMさんは、「将来二人だけの生活になったら、母屋はカフェやレストランにして、自分たちは離れに住みます」ということで、家の設計を行いました。また別のご家族の場合は、1階に親世帯、2階に共有リビング関係、3階に子世帯という間取りにして、自分たちが年を取って親が亡くなった後は自分たちが1階に住み、3階は自分達の子供家族に住んでもらい、代々3世帯が住まう家として受け継いでいくということを明確にしていました。
 
将来部屋が余ったら、自分の趣味やライフワークの部屋にするのも一つでしょう。
住んでいるエリアによっては、空き室を民泊などにして収益を生み出すことも可能です。
 
シリアスな話ですが、30年後どのように家を使うかも夫婦では話し合っておきましょう。
 
いかがだったでしょうか?二世帯住宅というものは、家族同士なんだからと安易に建ててしまうと後々トラブル可能性が大です。
 

Q&A 主人の実家を建替えて二世帯住宅にすることになりましたが、私は漠然とした不安があります。不安を解消するにはどうすればいいですか?

(ご質問)
主人の実家の家を建て替えて、二世帯住宅にすることになりました。私は漠然とした不安があります。不安を解消するためには、どういったことに気を付けて家を建てればいいでしょうか?
 

f:id:yanoukeizou:20170104182721j:plain

 
(八納の回答)
二世帯住宅で特にパートナー側の親と一緒に住むとなると、漠然とした不安が出るのは自然なことです。普段は、普通に接していても生活の距離感が近くなることで、これまで以上に緊張感が出てくるかもしれません。
 
人によっては、相手の親との距離感が近くても全く気にならない人もいますが、多くの場合は、気を使って疲れてしまいます。
 
では、どうすればいいのでしょうか?
大切なのは、まずパートナーとの間で、どういった不安があるかをきっちりと話し合うことです。
 
「もし、お母さんが私たちの暮らしに言及して来たらと思うと不安」
 
「完全に息を抜くことが出来なくなりそうで怖い」
 
「子育てにクレームを入れられるんじゃないかと思うと不安」
 
といったように、パートナーにも気持ちを理解してもらいましょう。
 
そして、もう一つ大切なのは、あくまでもパートナー単位(若夫婦と老夫婦)での話し合いをすることです。
 
気がつくと、夫がいつの間にか夫の親の立場になって話をするようになっていた、と言うのはトラブルの元です。
 
妻が夫の家で二世帯を建てる場合は、夫は自分たち夫婦の窓口になって話し合うスタンスを崩してはいけません。反対の場合も然りです。
 
もし、二世帯住宅を考える上で上記のように出来ないのであれば、かなり居心地の悪い家になります。
 
メンタルの部分なので、メンタルの部分を解消しない限り間取りで工夫しても限界があります。逆にここをしっかりとしてお互いの気持ちが尊重し会えれば、かなり柔軟で楽しい間取りも出来上がるでしょう。
 
まずは、絶対に外さないでいて欲しい視点です。