理想の注文住宅を建てるには

理想の注文住宅を手に入れ、絶対に失敗しないための注文住宅の秘訣を1級建築士である建築家八納啓創がお伝えするブログです

Q&A なぜ日本の家は、資産価値が下がって、他の先進国の家は資産価値が下がりにくいのでしょうか?

(ご質問)
なぜ日本の家は、資産価値が下がって、他の先進国の家は資産価値が下がりにくいのでしょうか?
 

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    【高耐久性の家を造ることが不動産としての価値を高めます】
 
(八納の回答)
まず大きな違いは、海外は家を「不動産」として認識されていますが、日本の家は、家電などと同じ10~20年経つと消耗していく「耐久消費財」として認識されているところです。
 
木造住宅の寿命は25年ぐらい、と一時期よく言われました。
 
実際に家の寿命が短い造りになっていたこともありますが、それ以外にも1950年以降のライフスタイルの急激な変化や家電製品の量や大きさが変わったりと、既存の家の間取りでは対処できにくくなったことや、建替えたとしても高く売れる時代だったため「造っては潰す」というスクラップ&ビルドが主流になったことが原因でした。それが「耐久消費財」的な位置づけのものという認識を促したのです。
 
それに対して、アメリカやイギリスでは家の平均寿命が70~100年ぐらいと言われています。築年数が長い建物ほど、実績があり高い値段で貸せるなど、日本のそれとは認識が全く違います。
 
カナダでは新築5年ぐらいまでは、賃貸で貸し出し、不具合などはその間に直していき、安定して暮らし始めれる5年後ぐらいから自分たちで住むという考えもあります。
 
これくらい海外と日本では、家に対しての認識が違っていますし、日本の木造の耐用年数(減価償却に使える年数)が22年に設定されているため、22年で家の価値がなくなると思われている節もあります。
 
しかし、この10年くらいで「長期優良住宅」や「200年住宅」など、家の長寿命化を図る動きが出てきています。こういった価値ある家を造る場合には、これまでの耐久消費財的な家の位置づけとは別に不動産としての価値を持たせることも出来るようになるでしょう。
 
どうすれば、日本で不動産価値を高めることが出来るか?は別の質問でいただいていますので、それはそちらでお答えしたいと思います。