理想の注文住宅を建てるには

理想の注文住宅を手に入れ、絶対に失敗しないための注文住宅の秘訣を1級建築士である建築家八納啓創がお伝えするブログです

Q&Aどこででも高断熱・高気密の家はつくってもらえるのですか?

(ご質問)

最近、高断熱・高気密の家が気になっています。いろいろな会社のHPを拝見すると、それぞれに「冬暖かい」などを売りにしている感じもするのですが、実際にはそういったことをうたっている会社はどこででも高断熱・高気密の家を作ることは可能なのでしょうか?

 
 

(八納の答え)

結論からいうと、見極める必要があります。最近はインターネットが普及したことにより、家づくりに関しても情報が気軽に見ることが出来るようになりました。
 
以前「冬暖かい家をメインにした家づくりを展開している施工会社があるけどこの会社はどうですか?」という相談をもらったことがあります。パッとHPを見た感じでは、暖かい家に対してのストーリー性もあり、イメージの湧きやすいものでした。
 
しかし、技術的な部分に関しては、ほとんど触れていずHPを見て推測するに、この会社の暖かい家は、次世代省エネ基準を基準にしていることがうかがえました。
 
次世代省エネ基準というのは、2020年に義務化される省エネ基準です。業界の人も含めて多くの日本人は、この次世代省エネ基準は「次世代に合わせた性能の良い家」というイメージを持っていますが、他の先進国と比べると、例えばフランスの同じような気候と温度の地域と見比べてもこの次世代省エネ基準は、74%程度の断熱性能しかありません。フランスではその基準は現行法の義務基準にも関わらずです。
 
このようなグローバル的な背景から見ると、日本のほとんどの家が次世代省エネ基準程度を目指していて、それを「暖かい家」と称していることが分かってきます。
 
2015年にHEAT20という指針が本になりました。次世代省エネ基準のさらに次の世代のことを考えた指針です。
 
この中で出てくるG1グレードとG2グレードというものがあり、G1グレードが、現在のフランスの現行法とほぼ近く、G2グレードは、G1グレードよりもさらに2割ぐらい性能がよくなります。
 
もし、世界標準的な視野で高断熱の家を手に入れたいと思うのなら「HEAT20のG1グレードに相当する家が欲しいのですが、対応は可能ですか?」などと言われると良いでしょう。ただ、私たちの業界でもHEAT20のことを知らない人はまだまだ多くいます。
 
そして気密ですが、これは隙間相当面積C値というもので示します。数字が小さければ小さいほど気密性能が良いことを表しますが、ここでは「C値は1以下でお願いします」「C値のこれまでの実績はどれくらいですか?」と聞かれると良いでしょう。気密のことを本当に考えて施工している会社などはC値が0.5以下をコンスタントに出してきます。
 
ご質問に対しての答えを改めてお答えすると「HEAT20のG1グレード並みでC値は1を切るような家を最低のベースぐらいで検討したいのですが、対応は可能ですか?」と言われると、良いでしょう。
 
それ以外にも日射取得、日射遮蔽、パッシブなデザインになっているか?などいろいろと見極めるポイントが出てきますが、それはまた別の機会にお答えしましょう。