家が人に安心をもたらす要素 その4
家が人に安心をもたらす要素。これは多種多様に渡ります。
今回は、より内面的な側面から「安心感」についてまとめています。
家づくりの単なるヒヤリングでは見えてこない、本当に安心できる空間を作るためには、どういった側面を感じることが必要か?
それをまとめました。
4.自分の領域を持つことへの安心感
子供は、大きくなるにつれて「自分の部屋が欲しい」というようになることからも分かるように、自分のコントロール下の空間を所有したくなります。
自分のコントロール下にある空間に身を置くと、安心できるようになります。逆にコントロールできていない、空間にいると安心できません。
よく「物があふれていたり散らかっている方が安心する」という人もいますが、心理カウンセラーが言うには「それは耽溺という感情の状態にフィットしているだけだ」ということのようです。
要するに「自分は散らかっているくらいの方がちょうどいい程度の人間」というふうに自分を下げてみている結果というのだからとても興味深いものです。
家を設計する際「書斎が欲しい」という人は結構います。
私は、その時、かなり慎重に話を伺っていきます。
なぜなら、実際に書斎を作っても物置や納戸になってしまっている人が世の中には多いからです。
心理カウンセラーの人と話をしていて、分かったのが「書斎は、精神的自立をしている人の場合は、うまく使いこなして機能する」ということ。
「会社の昇進試験が定期的にあるので、自分は書斎にこもってその時は勉強したい」
というお施主様がいました。
「家族がいるところでは、勉強は難しいのですか?」
と尋ねたところ、今の住まいで試みたけど、ほとんど集中できず苦労したとのことでした。
このお施主様の場合は、家が完成後、書斎をしっかりと使いこなし、昇進試験にも合格したと聞いています。
また、世の中で言われているアスペルガー(自閉症スペクトラムの一つ)の人は、静かに一人きりになれる場所を持つことで、精神的なバランスを取っていることが分かってきました。
このアスペルガーですが、100人に1人いると言われていますが、最近ではグレーゾーンの人を含めると20人に1人とも言われています。
「家の中は、どこも区切らず、大部屋で寝るような家にしたい」
というご要望のお施主様もいますが、家族の中にアスペルガー的な人がいる場合は、本当に大部屋形式でいいのか?慎重に判断することが必要でしょう。
以前までは「この子、この人は自分の部屋や一人になれる場所が必要だな」とヒヤリングをしてご要望をまとめながら、家づくりをしていましたが、最近では広汎性発達障害の研究も個人的に進めているので、より明確に意図しながら設計するようになりました。
このように、自分の領域を持つという側面は、いろいろな側面から見て、その人、その家族にあった空間構成にすることで、よりフィット感が増すようになります。
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