理想の注文住宅を建てるには

理想の注文住宅を手に入れ、絶対に失敗しないための注文住宅の秘訣を1級建築士である建築家八納啓創がお伝えするブログです

子どもが園庭で怪我をしたらだれの責任か?

北欧幼保施設視察 徒然なるままにその3

2016年5月に北欧幼保施設視察の第3弾。

今回は、園庭について書きたいと思います。北欧には「森の教室」というものがあるくらい、屋外を主体にした幼保施設も多くあります。

では、普通の幼保施設はどうなのか?となると、「多自然型の園庭」を主にしているところが多いです。

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園長先生に、一般的な質問をしてみました。

「これだけ高低差や角が多いと子供が怪我したときに親御さんは何も言ってこないのですか?」

 

すると園長先生は

「実は同じような質問を、イギリスの視察団にも言われたのですが、この園を希望してくる親御さんは基本的にこの多自然型園庭が気に入っているからわが子を入れたのであって、ここでけがをしたとしてもそれは自然なことだと思っているわ」

という返答でした。

 

この話を日本の園の方にすると「日本では考えられないわ。けがをさせると大問題ですから」と言っていました。

 

個人的には、北欧の考え方のほうがしっくりきますが、今の日本は責任問題などに関してとてもシビアになっているのを改めて感じます。

 

家の中もそうですが、下手に安全すぎるような作りにしておくと、かえって外で大けがをするケースが多いです。ある程度家の中で、危険を察知する感覚や感性を磨くこともとても重要だと思います。

 

鉛筆をナイフで削る、ナイフで怪我をすると血が出て痛い。だから人にナイフを絶対向けてはダメ、というリアリティが身につく。

 

自然の中でのリアリティは、自然の中で身につく。だから自然に対して畏敬の念や尊重の念などがこもる。そうすると安易に自然を破壊しようとしない。北欧の多自然型園庭を見ながら、自然を愛し、共存する感覚を小さいころから身につけるとてもいい方法だと個人的には実感しました。