北欧では二歳までは、マイナス10度でも外で昼寝をさせる!
このはてなブログでは、あまり徒然なるままに文章を書くことはなかったのですが、この6月から心機一転、八納啓創のメッセージを発信するメインブログとして始動させていこうと思います。もちろんQ&Aにもどんどんお答えしていく予定です。
さて、私は先日5月下旬に、北欧に「幼保(幼稚園保育園の略)施設」の視察に行ってきました。
北欧の幼児教育が日本より進んでいるという話、そしてその教育を支えている「施設」を見ることで、日本の幼保施設に新しい形を模索できないか、そして幼児教育から見た日本の住まいの形を模索できないか、そういった思いで視察に行ってきました。
色々とびっくりすることがありましたが、一番びっくりしたのはタイトルにも書いたように、幼保施設のお昼寝は「マイナス10度まで外で寝させる」というものでした。
この写真を見てください。
黒い建物の手前に、停まっているベビーカーがありますが、屋根がかかってる屋外で2歳までの子は昼寝をします。私が訪れたスウェーデンとデンマークの多くの園がそのようにしています。
※ちなみに2歳以上になると、寝返りをうってベビーカーから転落する恐れが出るので、園舎の空調の効いた部屋の中で寝るようになるようです。
この園は、屋外だけでなく写真の黒い壁の部屋を「お昼寝専用部屋」として使っています。
【これが部屋の中です。青いベビーカーがデンマーク内では一般的】
ただ、部屋だといっても冷暖房が一切ありません。雨風をしのぐ程度のものとして考えているからです。外気温がー5度ぐらいなら、室温は―2度ぐらいまで下がるようですが、2歳までの子供は、スキーウェアーのような服を着こんで部屋の中に置かれているベビーカーで寝ているのです。
日本の園長さんにもこの話をしたら「日本では確実に父兄に訴えられるね」と言っていました。
しかし、北欧では、ベビーカーで外で寝させるのは自然なことのようで、空調が聞いているお昼寝部屋しかない園では「どうして外で寝させるスペースがないの?」とクレームが出るそうです。
私はなぜ外で寝させるのか?を尋ねました。そうすると、園の先生や園長から「冷たい空気を吸うことで肺を強くすることが出来る」「部屋の空気よりも屋外の空気のほうが新鮮だから」という答えが返ってきました。
スウェーデンやデンマークは、省エネが進んでいる国で、近年の家の中は決して寒くありません。※多くの日本の家のほうが圧倒的に寒いです。
なぜなら、家の中が寒いと健康を害することを知っているからです。
しかし、子どもが昼寝をするのは、雨が降っていても、雪が降っていても、屋根がかろうじてかかっている屋外。
この話を聞いて、なんとなく日本の寒風摩擦を思い出しました。
冷たい空気を吸うことで肺を鍛える。一方で家の中は暖かく、居心地の良い空間。このライフスタイルのメリハリが、北欧ならではの知恵だと思いました。