読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

住む人が幸せになる家づくり 1級建築士 八納啓創

家造りに関するQ&A、幸せを形にする家づくり、住環境づくりをはじめ、日々の気づきをつづるブログです

地震に強い家の5つの共有点

家づくり全般
2016年4月14日に熊本を中心とした大地震が起こり、家屋の倒壊なども目立っています。また多数の方が亡くなられたことに対してご冥福をお祈りいたします。避難されている方も多く、車中泊をしている人の中ではエコノミー症候群で亡くなる方も出てきました。寝返りができないなか、長時間同じ態勢で寝ていると、エコノミー症候群になる可能性がありますので、車中泊の方は、大変でしょうが同じ態勢で長時間いないように気をつけてください。
 
この記事を書いている2016年4月下旬時点では、余震や余震によるさらなる家の倒壊の危険性もあるので、少しでも地震で傾いた家には、戻らないように気を付けください。
 
さらなる被害が広がらないことを祈りつつ、他地域でもご自身の住まいやこれから新築しようと思っている方に対して、一般の人が目で見ても分かる「地震に強い家の5つの共通点」をお伝えします。
 

1.開口部が家の角にない

  家の角に大きな開口部を持つ家は、地震の際、角の柱に力が集中して倒壊する恐れが出てきます。4に挙げている壁量計算など構造検討をしっかりとしている場合はその限りではありません。
 
 

2.壁がバランスよく入っている

  田舎のほうでよく見られる間取りですが、部屋の南側がふすまや障子で仕切られていて、その先に縁側(内廊下)があり、南側外壁がほとんど窓のような場合は、南側外壁まわりの構造壁が全くない状態の場合があります。極端に壁が無く、開口が多い場合などは、地震時に倒壊の危険性をはらんでいます。適度の壁が入っているかが見た目のチェックするときのポイントになるでしょう。
 

3.地盤の状態に即した基礎になっている

  造成している敷地の場合は、後から盛った盛土、もともと山だった場所を切り崩した切土というものがあります。地盤で弱いのは、盛土。そして盛土と切土が建物の下で一緒になっているケースです。また、近年の住宅の場合は、地盤調査を行ったうえで地盤保障を行うことが通常になっているので、中古住宅を購入する場合でも「地盤保障がついているかどうか?資料が残っているか?」を確認するのも一つです。住宅の基礎は、それら地盤の状況に即して地盤補強を行うことが重要です。既存の家で気になる場合は、基礎周りを外から見て、ひび割れが無いっていないかをチェックしてみましょう。ただし、基礎の表面に仕上げているモルタルに単にヒビが入っている場合もありますので、分かりにくい場合は、施工会社や設計士に見てもらいましょう。
 
 

4.壁量計算などの構造検討資料がある

  多くの木造2階建て住宅は、建築基準法上の4号建築物という分類に入り、同法上の仕様規定を最低限満足させて建てないといけない義務などがあります。しかし、「4号建築物の特例」というものがあり、建築基準法上の仕様規定を満たして設計されているかどうかは、設計者判断に委ねられていて、確認申請などの審査機関でチェックをしません。その為、設計者の意識が低いと、経験則で間取りを考えて、仕様規定を満たしているかどうかを検討するための、壁量計算、4分割法、N値計算などを検討していないケースも見られます。一般の人から見ると「え!」と思うようなことですが、既存の住宅の場合、図面などがある場合は構造検討資料が残っているのかも確認してみましょう。またこれから新築をされる場合は、確実に構造検討資料を出してもらうようにしましょう。

 

 

5.シロアリ対策をしている

 「木造の家はシロアリでやられるのが怖いです」という意見をよく聞きますが、実際にシロアリで柱などをやられて、それがきっかけで地震時に倒壊するケースも阪神淡路大震災の時などたくさん見受けられました。いくら構造計算をしていても、シロアリにやられてしまっては、残念ながら地震時に倒壊する可能性も増えてしまうでしょう。
 
 シロアリ対策は、建物と敷地の二つの側面から対応が可能です。シロアリの多い地域では、建物周辺にシロアリ対策用の薬剤を埋める方法があります。また、シロアリは太陽の光が当たるところへは行けませんので、建物に沿わせて物置など置かない、ほうき、板、ブロック等、立てかけないよう心がけることが重要です。
 
 建物のほうで出来るのは、シロアリにやられにくい桧などを中心とした素材を土台周りに使うことや壁内が湿気ないように、高断熱高気密系の仕様にすることが重要です。また個人的には、防蟻手段として、人害のないホウ酸処理を木部に施すこともおすすめです。
 
 
・・・以上5つに渡ってお伝えしました。
 
既存の家で気になる場合は、上記の内容に照らし合わせて、耐震診断をしてもらうといいでしょう。診断内容に合わせて耐震補強をすることをおすすめします。
これから新築を立てる場合は、上記の内容に即して家づくりに望みましょう。
 
それと上記以外にも鉄筋コンクリートのマンションなどの場合は、昭和56年以前と以降では構造強度が大きく変わります。特に、昭和56年以前で、1階が駐車場になっていて柱だけの建物の場合は、注意が必要です。マンションに住まわれる場合は、これも一つの指針としてください。
 
皆様の住まいが心休まる安心できる場所になることをお祈りしています。