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住む人が幸せになる家づくり 1級建築士 八納啓創

家造りに関するQ&A、幸せを形にする家づくり、住環境づくりをはじめ、日々の気づきをつづるブログです

Q&A どこで建てても構造は大丈夫なのでしょうか?

家造りQ&A 家づくり全般

(ご質問)

現在木造2階建ての住宅建築を考えています。少し心配なのですが、構造はどこのハウスメーカー工務店設計事務所で設計してもらっても大丈夫なのでしょうか?何か判断をするための指針みたいなものはありますか?

 
(八納の答え)
先日、タイムリーな話として構造の専門家のM’s構造設計の佐藤実氏に伺うことが出来ました。
 
少し難しい話になりますが、私なりに解釈した大切な内容ですが、お伝えしたいと思います。
 
構造を安全性を確認するには3つの方法があります。
 
1つ目は、「仕様規定」。壁量計算、四分割法、N値計算など。
2つ目は、「性能表示計算」。耐震等級、耐風等級など長期優良住宅などでがこれに当てはまります。
3つ目は、「構造計算」。ビルなどと同じく許容応力度計算という方法です。
 
1→3に向かって難易度と精度が上がります。
1つ目の仕様規定で構造の安全性を確認する方法が一般的です。
2つ目と、3つ目の方法は、より詳細に構造のことを精査する方法です。
 
では、それぞれの確認方法の安心度合いはどうか?
2つ目と3つ目の方法に関しては、構造的に検討した資料を確認申請時などに提出する義務があり、基本的には設計士、申請機関を含めて詳細をチェックしていきますので、比較的安心です。
 
しかし、1つ目の「仕様規定」に関しては、四号建築物の特例というものがあって、通常の木造2階建て住宅で、資格のある建築士が設計した場合、「仕様規定」の構造検討内容を審査機関に提出する義務がなくなります。
 
ですから、1つ目の仕様規定で設計をしている時、申請機関も審査しないので、完全に設計士の判断にゆだねられるのです。
 
佐藤氏は
「実は、この四号建築の特例を勘違いしている建築士が多く、仕様規定の内容を検討をしなくてもいいと思っている人も少なくなく、そこでトラブルを生んでいるケースが多い」
 
「仕様規定を検討している設計士の中でも、仕様規定を本当に理解できている人が少ないことも問題で、本来なら四号建築の特例を廃止し、全ての仕様規定について申請機関でもしっかりと審査することが重要」
 
と話してくれました。
 
特例で、提出しなくてもいいので、これまでの長年の経験と感覚で設計をやっていたという設計士が手掛けた住宅で、仕様規定にあてはめると構造が成り立っていなくて裁判になるケースも年にいくつかあるということでした。これも氷山の一角だと。
 
この話を一般の方が聞かれるとびっくりされることでしょう。
 
より安心できるのは、2つ目、3つ目の方法で構造検討をして、申請機関でも合わせてチェックしてもらうことです。しかし、これらの構造検討に関しては一般邸に別途10~30万円ぐらい費用が必要になります。1つ目の仕様規定は別途構造検討費用が不要としている場合が多いです。
 
では、1つ目の仕様規定を活用する場合はどうすれいいのでしょうか?
 
1つ目の仕様規定で家の設計を行ってもらう場合は、
「仕様規定に基づく構造検討をした資料も一緒に見せてもらえますか?」
と、投げかけてみましょう。
 
基本的には、壁量計算、四分割法、N値計算などの資料が出てくるはずです。
これら以外にも仕様規定では8つの仕様ルールが決められています。
 
まず、確実に構造検討資料を提出してくれる施工会社や設計事務所であることを
確認してみましょう。実際にこれだけではなく、仕様規定通りに施工される必要も
ありますが、まずはこの部分を判断するための最低限の指針としてみましょう。
 
私も佐藤氏の話を伺いながら、襟を正す思いがしました。
 

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木造住宅の設計&施工従事者は、ぜひ佐藤実氏の本を読んでください。