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住む人が幸せになる家づくり 1級建築士 八納啓創

家造りに関するQ&A、幸せを形にする家づくり、住環境づくりをはじめ、日々の気づきをつづるブログです

将来、絶対に後悔しないための二世帯住宅のつくり方

最近、実家を二世帯住宅に建て替えるケースが増えています。
 
土地を買わなくてもいいということと、総予算を押させることが出来ること、親からの援助が受けやすいこと、親の面倒を見る必要が出てきたなど理由は様々です。
 
ただ、「優先順位としてコストが安くつく」という理由だけで二世帯住宅を建てるのは危険です。
 
なぜなら、住んでから分かる押さえておきたかったポイントがたくさん出てくるからです。今回は、その中でも絶対に後悔しないために特に気をつけたい3つのポイントについてお伝えしましょう。
 

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   【将来、母屋をカフェにすることを意図して設計した住宅の例】

 

その1)生活の時間帯がまったく違うこと認識していなかった

 1階に親世帯、2階に子世帯にした二世帯住宅で起こるトラブルがこの要因に基づくものです。子世帯が夕方6時ぐらいから食事を取り始め、8時台以降にお風呂に入ったりしますが、親世帯は早い人で8時代ぐらいから就寝するので、2階の音がうるさくて眠れないという状態が発生します。
 
 1階の寝室の上にくる部屋がリビングや夜の8時以降に過ごす部屋が来る場合は、注意が必要です。これから家づくりをする人は、1階の寝室の上にくる部屋をどのようにするか慎重に考えてみましょう。
 
 

その2)パートナーの潜在的なプレッシャーを共有できていなかった

 自分の親と住む場合は、気兼ねすることはそこまでないケースが多いですが、パートナーの親と同居する場合は、潜在的にプレッシャーがかかっていることがあります。特に夫の親と同居する妻は、「自分が家を購入するのにお金を出していない」ということから、自分の感情を押しやって、我慢して同居しはじめるケースも多くあります。
 
 しかし、日々のプレッシャーが積み重なると、それは徐々に表面化していきます。特に夫婦のパートナーシップのバランスが崩れ始めると、一気にそのプレッシャーからくる不満が噴出します。
 
「だから、私はこの家に住みたくなかったのよ!!」
 
こう言った言葉が相手から出てきたときには、我慢していた感情が噴出したんだと理解しましょう。もし、これから二世帯住宅を考えているのなら、どれだけパートナーがプレッシャーを感じているのかを理解し、その不安やプレッシャーを共有することが重要です。
 
「私、お金を全く出していないので言えた身分じゃないけど、同居することがとてもプレッシャーなの」
 
パートナーがそういうふうに言えば「正直に言ってくれてありがとう。同居にそれだけプレッシャーがかかっていることに気づかなくてごめんね」と伝えて、二世帯に住まうことに対するお互いの素直な感情をシェアしあうことはとても大切なのです。
 
 

ポイント3)30年後の住まい方をシビアに考えることが重要

「30年後、この家に二人で生活するようになる可能性が大ですが、この家をどのように住みこなしますか?」
 
これは、私が二世帯住宅を設計するときに必ず聞くセリフです。
 
 二世帯住宅は、家族構成で一番人数の多いときに手に入れるケースが多く、5年、10年すると両親が他界したり、子供が巣立っていったりと確実に一緒に住む人数が減っていきます。
 
「今では夫婦二人の生活になって、この3ヶ月間2階に上がったことがないの」と足腰が弱ってきた60歳代の女性が私に話をしてくれたことがあります。日本人は特に一度建てた家で一生過ごしたいという価値観が根強くあります。
 
 しかし、心理学的に人は3〜5年先以上のことを考えることがとても苦手だというデータもあるくらいで、家のように数十年建ち続けているものに対して、30年先までイメージや意図することはとても難しいものなのです。
 
 この女性のように、将来、家を持て余してしまうことは日本では普通になっていますが、特に二世帯住宅を考えるときに、先のことを考えずに建ててしまうことは危険です。
 
「夫婦二人の生活になった時にこの家をどのように使うか?」
 
例えば、
 ・子世帯と同居する
 ・一部を趣味の部屋として活用する
 ・一部をカフェなど定年後のビジネスと楽しみに出来る場にする
 ・自分たちは、マンションに引っ越し子供たちに家を譲る
など、大枠の方向性で十分ですので、夫婦で話し合っておきましょう。