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住む人が幸せになる家づくり 1級建築士 八納啓創

家造りに関するQ&A、幸せを形にする家づくり、住環境づくりをはじめ、日々の気づきをつづるブログです

Q&A リビングイン階段はおススメですか?

家造りQ&A わが子の才能をぐんぐん伸ばす家

(質問)

現在家づくりを考えています。子どものことを考えるとリビングを通じて2階に上がるリビングイン階段が良いと聞くのですが、オススメですか?

 
(八納の回答)
リビングイン階段は「子供が帰ってきたときに必ずリビングを通って2階に上がるので、必然的にコミュニケーションが増える」という発想で生まれた間取りです。
 
その背景に「玄関に入ってすぐに2階に上がって自室にこもれる間取りだと子供が何をやっているのかが分からなくなる。家から出て行っても分からなくなる」ということがクローズアップされたことがあります。
 
では、このクローズアップされた内容はどこまで事実なのでしょうか?
個人的には、大きく2つこの事象を巻き起こした要因があると考えています。
 
一つは、子供部屋の使い方です。
詳しくは、別のコラムでお答えしていますが、子供部屋はもともと日本にはないアメリカから入ってきた間取り。アメリカでは子供部屋はそもそも勉強部屋としては使っていなく、日中はリビングなどにいるのに対して、日本では子供部屋を勉強部屋として使ってしまったがために、帰ってから部屋にこもる習慣が身についてしまったことが家族と一緒に過ごす時間を減らしてしまいました。
 
もう一つは、それが影響して生まれた家族同士のコミュニケーション不足です。
例えばアメリカでは学校から帰ってきたときに直ぐに子どもが部屋に入ると「学校で何かあったのかしら?」と気づくことが出来ます。しかし、日本の場合いつもすぐに部屋に入る習慣がある家では、学校で何かあったのか気づきにくくなります。また部屋にこもりがちな習慣が、親との気軽な会話を楽しめなくなっている原因にもなっていると私は考えます。
 
この2つの要因から分かるように、従来の間取りではそれを容易にしている間取りという印象が付きやすいことが分かります。しかし、これらの要因があるままリビングイン階段にしたら解決できるのでしょうか?
 
結論から言うと、リビングイン階段にしたとしても「子ども部屋の使い方」が間違っていれば、これらの問題は解消できません。また、子どもも親に気づかれないように外出するために、リビングダイニングに親がいないのを見計らって駆け足で出かけるなど、関係性は芳しくない状態になってしまいます。
 
ポイントは「引きこもらせない子ども部屋の使い方」と「親子で日常的に会話を楽しめるライフスタイルを築くこと」です。先にこれらのポイントを意識したライフスタイルを構築することから始めましょう。
 
リビングイン階段は、空間として楽しむというイメージでつくるのはいいことだと思います。ただし、リビングに階段を組み込むと空間が広くなるために、家の断熱性能が低いと冷暖房の効きが悪くなり、光熱費もかなりかさみます。リビングイン階段にする場合は、リビングと階段の間に一度壁で仕切って空間を別けるか、別けない場合は次世代省エネ基準の1.8~2倍の断熱性能や気密性能(C値は1以下)ぐらいにしましょう。次世代省エネ基準では、これらの空間の冷暖房を効率よく効かせるには断熱性能がぜんぜん足りません。ここはまた別の機会に話をしましょう。