理想の注文住宅を建てるには

理想の注文住宅を手に入れ、絶対に失敗しないための注文住宅の秘訣を1級建築士である建築家八納啓創がお伝えするブログです

Q&A 間取りなどに著作権はあるのでしょうか?

(質問)
今家づくりを考えています。数社から間取りを提示してもらい、一番気に入った間取りを使って家を建てようと思うのですが、間取りなどに著作権はあるのでしょうか?

 

(八納の答え)
著作権については、いろいろな考え方があると思います。
詳しくは、弁護士に聞くのが一番だと思いますが、私は他で作った間取りを流用して建てることはお勧めできません。

いくつか理由はありますが、ここでお伝えしたいのは「それぞれの間取りには間取り以外の要素も組み合わさって出来ているため、間取りだけ流用すると家の機能を大きく損なう可能性がある」からです。

例えば、リビングに設けた大きな吹抜け。
「A社の明るくて開放的な吹き抜けのこのプランが気に入った。でも外観デザインや予算から言ったら、B社かな」

そこでB社に、A社の間取りをまねてリビングに大きな吹抜けを作ってもらいました。しかし、結果は大失敗。

なぜなら、B社には吹き抜け空間を加味した、断熱性を持ち合わせた家づくりのスキルが無く、夏暑くて冬寒いリビングになってしまったのです。

「こんなに寒くなるとは思わなかった!どうしてくれるの!!」とB社に言っても、B社も言われた通りやっと言って責任逃れ。後の祭りです。

これは単なる一例です。

私の事務所の例です。
私の事務所の場合は、家相を活かした間取りを作ることもやっています。
また、はじめにさせていただく企画提案時に私の事務所の場合は明確に著作権を守っていただくようにお願いしています。

もちろん一生懸命考えた間取りを流用されるのをやめていただきたいこともありますが、それ以上に「家相で作った間取りは、少しいじっただけでも関係性がガラッと崩れて、吉相が凶相になってしまうケースがある」からです。

私も一度ご縁をいただいた方が、仮に別のところで家を建てたとしても、間取りを流用されて家を建てて不幸になるのは避けたいものです。

書き出したらきりがないのですが、間取りとデザイン、家の機能などは一体的なものです。ですので、安易に流用することは大きなリスクがつきまといます。

また、深い部分では「アイデェアの盗用」になるため、「盗用された」という、ネガティブな思いが、あちらこちらに循環します。裁判になるケースもありますし、それ以外にも「あの家はアイデェアが盗用された家」という認識が付きまといそこに暮らすことが、苦痛になるなどいいことはありません。

結局、筋を通したことをしないと、いい循環は流れてこないのです。
話し出したらきりがない部分でもあるのですが、「その行為が筋が通ったものかどうか?」という視点で見ることがポイントになるでしょう。