家は誰のもの?
マイホームを手に入れるとき、「マイホームは誰のものか?」を考えているでしょうか?ちなみに、そう質問されるとどう答えますか?
「これから一緒に住む家族4人のもの」
「二世帯住宅なので、両親と僕たち家族のものかな」
どちらかといえば、マイホームを手に入れるタイミングに住む人のものという感覚が日本人には強いです。
もともと日本の1940年以前には、両親、夫婦+子、兄弟、親戚、近所の誰か、という大家族の組み合わせで住むライフスタイルが一般的でしたので、マイホームに対する所有感というものは、あまり明確でなかった部分があります。
それに対して、欧米などでは「マイホームは夫婦のためのもの」という感覚が一般的です。
「子供にとっての家は、大人になるまでの仮住まい」という感覚が欧米では一般的で、大人になると、自立して家を出ていくように促していきます。
それに対して、日本では多くの「パラサイト・シングル(学卒後もなお親と同居し、基礎的生活条件を親に依存している未婚者)」が居るとして問題視されています。
ただ1級建築士が住環境の歴史的背景から見れば、先ほども言いましたが「1940年以前はほとんどの家で、パラサイト・シングルが当たり前だった」ことが分かります。
日本では、ある意味1940年以降に初めて「パラサイト・シングル」がクローズアップされているだけで、日本人のDNAには、たくさんの人が集って住まうライフスタイルが肌身にあっているのでしょう。
最近のシェアハウスが増えてきたのも日本人の肌に合っているのです。
しかし、多くの人が「パラサイト・シングル」が問題だとそれでも考えています。それを問題として解決したい場合には、家の定義づけを「家は夫婦のもの」と明確にすることが必要です。
具体的には、
▲3年間息子と同居するが、3年後には必ず家から出て自立してもらう
▲同居する場合、必ず生活費を入れてもらう
▲娘が結婚しなくても、30歳になったら家から出て自立してもらう
など、一例ですが、夫婦や親子でこのように取り決めをして普段から話し合っておくことがポイントです。
そうはいっても、そんなことをわが子には出来ない、と感じる方もいるでしょう。
その場合は、いくらわが子といっても、いい大人です。大人同士が同居するという前提で、家の中のルールを決めることが必須になることを覚えておきましょう。
家は誰のものか?を明確にすることが幸せに住まう一手なのです。