理想の注文住宅を建てるには

理想の注文住宅を手に入れ、絶対に失敗しないための注文住宅の秘訣を1級建築士である建築家八納啓創がお伝えするブログです

Q&A 断熱性の悪い家をどうやって安く快適にリフォームできますか?

(ご質問)
断熱性も悪い家をどうやって
安く快適にリフォームできるか悩んでおります


(八納の回答)
ロングスパンで安くなるか、当初の支払額を安くするかで考えが変わってきます。ここでは、当初の支払額が安くなる方法からお伝えします。

断熱性の悪い家の場合、理想は家全体の断熱改修を行うことです。
しかし、これはロングスパンで安くなる方向性なので、初期投資は大きくなります。当初の支払額を押さえるには、長居する部屋のみ断熱するという方法が良いでしょう。

 

具体的にはリビング、ダイニング、寝室です。もし、予算が許すならお風呂と脱衣場も断熱改修をしたいところです。

 

断熱改修をする時に気をつけたいのは、換気です。換気を伴わない断熱改修をすると部屋の北側の壁が結露する危険性などが出てくるからです。

断熱改修には、色々とレベルがありますが、まず対費用効果の高いのは「窓」です。


アルミ枠のシングルガラスの窓の場合は、樹脂枠のペアガラスの窓に入れ替えるだけでもかなり効果があります。窓を入れ替えるよりも簡易的に出来るのは既存の窓の内側にもう1つ内窓をつけるという方法です。

 

YKKAPのプラマードUやLIXILのインプラスなど、その他大手のサッシメーカーでも内窓を出していますので、インターネットなどで検索してみましょう。

 

これらをリビング、ダイニング、寝室などを中心に採用していくと窓から逃げていく熱が格段に減ることでしょう。

 

ただし、先にも述べましたが「換気計画」を同時にちゃんとさせないと結露をおこします。


なぜなら、これまでは「窓」が結露してくれていたおかげで他のところが結露しなかっただけだからです。

 

例えば、20℃で相対湿度50%の部屋があるとします。この湿度の場合、屋内側の壁や窓の表面温度が10℃を下回っていくとそこで結露をおこします。

 

アルミ枠のシングルガラスの窓の室内側表面温度が、一番温度が下がっていたので、これまでは、そこを中心に結露をしていました。

 

しかし、樹脂窓や内窓を入れるようになると部屋側の窓の表面温度がそこまで下がらなくなります。その時に、部屋の北側の壁の表面温度が一番下がりやすくなります。

特に、タンスなどを北側の壁におくと、タンスと壁の間の空気が動かなくなり、より結露を生み出しやすくなります。その一つの解決策として換気計画をきっちり行い、空気の滞りを無くすことが大切になってきます。

 

ケースバイケースの部分も多いので、具体的には専門家に立ち会ってもらってアドバイスをもらいましょう。

 

もう少しお金がかけられる場合は、1階の床下の断熱をやり変えることをお薦めします。


多くの家の場合は、床下に外気が流れる基礎形状をしていると思います。そうなると仮に外気が0℃になると、1階の床下に氷を置いた状態で生活しているような状態になります。

 

想像するだけても冷たいですよね。。
そこで、行いたいのが床の断熱工事です。

 

床の断熱工事を行うと、床下からの冷えよりも、室内側の暖房のほうが効きはじめるため足元の冷え具合が大きく変わってきます。ホットカーペットなどは、電磁波が出ているので個人的にはお薦めではありません。

 

上記以外で本来は押さえたいものに気密施工というものがあります、家の気密性を上げ隙間風を無くす工事です。しかし、この工事は難易度が高いので、「高断熱・高気密」を得意にしている工務店設計事務所に相談してみましょう。

 

最後に、忘れずに対策していただきたいのは、脱衣場と浴室を寒くしない工夫です。


20℃以上の温度差で、激しい血圧の上下運動が原因で起こるヒートショックというものがあります。

 

リビングなどが温かくなって、脱衣場と浴室との温度差が20℃以上ななると本末転倒です。


また、お風呂のお湯が40℃であれば、脱衣場と浴室は入る時に20℃近くまでに最低限高めておきたいところです。

 

家を全て断熱・気密・換気改修が出来れば、ヒートショックの心配は無くなりますが、部分断熱改修の場合は、家の中の温度差が大きくなってしまうため注意が必要です。

 

ご質問の「安く快適にリフォームする」という内容に対してですが、上記のことを複合的に考えながら、どの範囲、どのレベルまで断熱を改修するかは専門家で無いと難しいでしょう。

 

私の事務所は新築は全国で受けれますが、残念ながら改修工事は広島県内でしか受けることが出来ません。
※改修工事は現場に行く工程が組めますが、改修の場合は急に現場に足を運ばないといけないことも多いためです

 

ですので、別地域の方で、リフォームを考えている方は、インターネットで「地域名、高気密、高断熱、リフォーム」などのキーワードを組み合わせて検索してみましょう。