理想の注文住宅を建てるには

理想の注文住宅を手に入れ、絶対に失敗しないための注文住宅の秘訣を1級建築士である建築家八納啓創がお伝えするブログです

なぜ、リビングやダイニングで勉強するのがいいと言われているのか?その3

【リビングやダイニングで勉強するのがいい本当の理由とは?その3】

その1「子供部屋は本来勉強する場所ではなかったから」
その2「子供の能力が発揮される象徴的な場所だから」
でした。

今回はその3をお伝えします。

その3)子供にとって社会の象徴・社会の基礎を学ぶ場だから


拙著「わが子を天才の育てる家」にも詳しく書いていますが、大人と違い子供にとっての家の役割で重要なポイントがいくつかあります。

その中の一つが「リビングやダイニングは子供にとって社会の象徴・社会の基礎を学ぶ場だから」という考え方です。

私の周りには、心理カウンセラーの妻をはじめ、人間関係心理の専門家の仲間がたくさんいますが、彼らとディスカッションしていて、つくづく感じるのは「子供の頃の住環境が及ぼしていた影響が、大人になってから心理的に苦しめている」という事です。

少し余談になりますが、例えば私の場合。

社会人になり、1級建築士事務所の所員になりました。
絵を描くのが大好きで、それを仕事に出来る・・・それが私にとっての建築でした。

はじめは緊張も入り混じりながら、ワクワクして事務所に通っていました。
しかし、同時にとてもストレスを感じることも増えたのです。

電卓をパチパチとたたいている時(ちょっと古いですよね)、「おい、八納ちょっとこっちへ来い!」と呼びかけられたり、アイデェアを練っている隣の席で、大きな声で電話で話をされたり、とマイペースに物事が進められない・・・これがとてもストレスだったのです。

住環境が人にどのような影響を与えるか?をこの20年近く探究してきました。色々な文献を読み、心理学の専門家の話を聞いたりとしていった結果、一つの結論に達しました。

それが「子供部屋で1人切りで勉強すると、静かな環境でないと集中出来ない癖がつく」ということでした。

ここでポイントなのは、集中出来ない性格になるのではなく、「癖」がつくというところです。

私は、普段から部屋で一人で勉強していたこともあり、人がいるところで勉強することを嫌い、一人で閉じこもって勉強するのが好きでした。図書館などに行って勉強をしようとしたこともありますが、全く手につかなかったタイプです。

そろばんの3級試験や大学受験の時にも、たくさん人のいる会場で極度に緊張して頭が真っ白になって大失敗を繰り返した経験があります。

大学の卒業設計の時のプレゼンテーションで呼吸しにくくなって、声がちゃんとでずに、大汗をかきながら発表したことを覚えています。

私は「これが私の性質、もって生まれたものだ」とそれまでは思っていました。

しかし、この結論に至った時に「これは性質、性格ではなく、住環境が及ぼしてきた習慣・癖だ!」ということに気が付いたのです。

それから、苦手意識のあったプレゼンテーションを積極的にやったり、ガヤガヤしている場所で、アイデェアを考える。途中で話しかけられても、徐々にではありますが、気持ちを切り替えて返答出来るようになりました。

私の話で恐縮でしたが、誰にでも多かれ少なかれこういった経験があるのではないでしょうか?

特に家族は、両親ぐらい年のはなれた上司、兄弟ぐらいの年齢関係の先輩・後輩や同僚と見立てると「子供にとっての社会の基盤」です。

部屋にこもって勉強をするという行為は、社会に出た時に「一人きりになれる職場環境で仕事をさせてもらっている」ことと同義です。

一人きりの環境で仕事が出来るというのは、社長室を持っている社長ぐらいのものです、それが子供部屋で一人で勉強をさせていることと同じです、と私は講演会等でよく言いますが、本当にそう思います。

もちろん、最近はインターネットなどの普及もあり、静かな環境で一人きりで仕事が出来るスタイルも増えてきています。

しかし、インターネットで成功をしている友人なども多数いますが、彼らはとても人懐っこく、人望があります。インターネットの世界だからといって人との関わりがないのではなく、インターネットだからこそ、人柄に磨きをかける必要があるように彼らを見て実感しました。

少し話が長くなりましたが、子どもの頃の住環境。特にリビングダイニングが社会の象徴だとしたら、あなたはわが子にどのように接して上げますか?

個人的な結論としては「少々うるさかろうが、和気あいあいと気持ちを切り替えながら、愛嬌良くそして集中出来る習慣を身につけさせてあげること」が、社会に出た時に、必要のないストレスを感じずにやっていけると確信しています。

【リビング・ダイニングで勉強するのがなぜいいのか?】
の私なりの答え。それは、

その1「子供部屋は本来勉強する場所ではなかったから」
その2「子供の能力が発揮される象徴的な場所だから」
その3「子供にとって社会の象徴・社会の基礎を学ぶ場だから」

でした。これら一つの参考にして、あなたや家族にとっての最適な答えを導いてみてください。


・・・・最後にすこし宣伝です(笑)

本文内にも書きましたが、子どもの住環境のことを体系的にまとめた拙著「わが子を天才に育てる家」もご興味がある方はご覧ください。

最近、電子書籍になってキンドルでもご購入いただけるようになったので、すぐに読まれたい方はお手軽なのでそちらもどうぞ。

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